可愛らしい中に少し毒気のあるデザインが特徴的なファッションブランド「ミュベール」が10周年を迎えた。いくつか新しい試みを始めるということで、デザイナーの中山路子さんに話を聞きに行った。









9月にリニューアルオープンした表参道のギャラリー・ミュベール。お客さまに寄り添う「洋品店」という考え方でつくられているショップだ。店内にある「アトリエ・コラージュ」では手芸パーツや刺繍糸などが並び、刺繍家の田口あゆみさんによる刺繍教室も開催されている。ショップ奥にあるギャラリーでは、現在これまで制作されたグランマチャームが展示されている。グランマチャームはミュベールのアイコンで、コレクションごとにその物語をナビゲートする存在でもある。
PHOTO:Tomo Ishiwatari
女性の"生き方"を視野に入れたファッションデザイン
前身頃にスパンコールの花が散りばめられた迷彩柄のカーディガン、ギャザーが入ったチュールつきのカーディガンコート──我が家のクローゼットには、いくつか「MUVEIL(ミューベル)」の服が並んでいる。個性が立った服ではあるが、他のブランドと合わせてもしっくり馴染む。愛らしい雰囲気を備えているが、歳を重ねて身に着けても"若作り"に陥らない。どんな世界観を持った人がこの服を作っているのだろうと、以前から興味を持っていた ...