「文喫」史上最大店舗で挑む「まちと書店の関係」の再構築

公開日:2026年3月31日

  • ひらく/文喫「BUNKITSU TOKYO」

「本と出会うための本屋」をコンセプトに掲げ、入場料のある書店として2018年に六本木に誕生した「文喫」。コロナ禍を経て、2025年9月には高輪に最大規模の旗艦店「BUNKIT SUTOKYO」をオープンした。文喫を運営する、ひらくの取締役山元佑馬さんに話を聞いた。

本、文具・雑貨などを販売する自由に入場できるエリアの一画。(上から)文庫や文芸を集めた「tomarigi」、展示スペース「Gallery B」。このほかにもさまざまな空間を用意。
撮影:Kenta Hasegawa

書店の存在価値は相対的に高まっていく

スマートフォンの台頭、コロナ禍を経て、社会における本の位置付けは大きく変化した。文喫事業責任者の山元佑馬さんは講演会などの場で、毎回「最近いつ本を読まれましたか」「最後に本を買ったのはいつですか」と問いかけるという。それは、まず本が読まれなくなっているという事実を直視させるためだ。「人口の半数以上が月に1冊も本を読まないというデータがあります。悲観的になりそうな数字ですが、一方でGDPからGDW(GrossDomesticWell-being、国内総充実)へと世の中の価値観がシフトし、より豊かさが求められているという状況もあります。僕はこの先の社会にこそ、本や書店、文化というものの存在価値が相対的に高まっていくと捉えています」。

山元さんは文喫事業を推進するにあたり、全国の書店の経営理...

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プロダクトから体験へ「本」のある空間をデザインする

出版流通を取り巻く環境が大きく変化するなか、いま書店は「本を売る場所」から、人が集い、思考を深める体験の場へと進化しつつあります。その波は個人発の小規模書店だけでなく、街の大型書店にも広がりつつあります。AIが普及した現在だからこそ、余白を味わい、没入をもたらす「本」はプロダクトであると同時に新たな思考体験を呼び起こす装置となる可能性を秘めているのかもしれません。今回は、新価値創出へと挑戦する書店のプロジェクトに着目。クリエイターの視点も交えながら、「本」のある空間づくりを考えていきます。

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