「本と出会うための本屋」をコンセプトに掲げ、入場料のある書店として2018年に六本木に誕生した「文喫」。コロナ禍を経て、2025年9月には高輪に最大規模の旗艦店「BUNKIT SUTOKYO」をオープンした。文喫を運営する、ひらくの取締役山元佑馬さんに話を聞いた。
本、文具・雑貨などを販売する自由に入場できるエリアの一画。(上から)文庫や文芸を集めた「tomarigi」、展示スペース「Gallery B」。このほかにもさまざまな空間を用意。
撮影:Kenta Hasegawa
書店の存在価値は相対的に高まっていく
スマートフォンの台頭、コロナ禍を経て、社会における本の位置付けは大きく変化した。文喫事業責任者の山元佑馬さんは講演会などの場で、毎回「最近いつ本を読まれましたか」「最後に本を買ったのはいつですか」と問いかけるという。それは、まず本が読まれなくなっているという事実を直視させるためだ。「人口の半数以上が月に1冊も本を読まないというデータがあります。悲観的になりそうな数字ですが、一方でGDPからGDW(GrossDomesticWell-being、国内総充実)へと世の中の価値観がシフトし、より豊かさが求められているという状況もあります。僕はこの先の社会にこそ、本や書店、文化というものの存在価値が相対的に高まっていくと捉えています」。
山元さんは文喫事業を推進するにあたり、全国の書店の経営理...


