串田壮史監督による『ラストドリーム』は全ての映像と音素材がAIによって生成された短編映画だ。これまでAIに馴染みが薄かったという串田監督が1本の映画をつくり終えたその手応えを聞いた。

『ラストドリーム』キービジュアル。
そして低予算かつ短期間での映画制作が可能となった今、業界のクリエイターたちにどのような変化が起きようとしているのか。
講座でゼロからAIの使い方を学ぶ
ピラミッドフィルムの串田壮史監督が手がけた短編映画『ラストドリーム』は、全編AIツールで制作された作品だ。地球誕生から滅亡までの46億年を10分間で描くこの作品は、埼玉県のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭での上映や、韓国の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭のAI映画部門での最優秀作品賞受賞など、今注目を集めている。
制作のきっかけは串田監督が所属するピラミッドフィルム社内に「PYRAMIDAI」というAI部門が発足されたことだった。それまでAIツールにほとんど触れたことがなかった串田監督は、外部のAI関連セミナーを受講。「AIを使って映像をつくるフローや、ツールの選定、プロンプトの書き方を教わりました。今回使ったツールは概ねその講義で教わったものだ...