デジタル化が進む時代に、いま再びアナログゲームが注目を集めている。なかでもクリエイターの仕事に直結するのは、アイデア発想や新規事業開発といった創造的プロセスへの応用だ。そんなゲームを多数制作しているルテシアの大山徹さんに話を聞いた。
アナログゲームの普及とビジネス活用
ゲーミフィケーションにまつわる状況は変化していると感じています。以前は企業がスマホのゲームなどをつくり、遊びの要素を盛り込んでビジネスに活用する流れが盛んにありました。ただ、ユーザーを離脱させないために毎日ログインやランキング制度を取り入れるなど、射幸心を煽りすぎたことから、ゲームの中毒性をビジネスに悪用しているといったイメージが先行し、「ゲーミフィケーション」のブームが下火になった印象がありました。
そんな中、最近は企業が研修などにアナログゲームを取り入れる動きが増えています。たとえば脱出ゲームを活用して社内コミュニケーションを活性化したり、マーケティング研修でボードゲームを使ってシミュレーションをすることでより理解が深まったり。さまざまな形でゲームが活用されています。
その背景として、ユーザー側のプレイ環境も変化しているように感じています。企業にアナログゲームを提案する際も、「時々ボードゲームやカードゲームで遊んでいる」という人が増えてきています。企業内で部活動としてボードゲーム部を有すこともあるようですね。また平日朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系列)ではアナログゲームを取り上げてくれていたり、著名なYouTuberが動画でボードゲームをプレイしたりと、世の中的にアナログゲームの...


