「アイデアを生める人が増える世界へ」発想を後押しするゲームというアプローチ

公開日:2025年10月31日

  • 大山 徹(ルテシア)

デジタル化が進む時代に、いま再びアナログゲームが注目を集めている。なかでもクリエイターの仕事に直結するのは、アイデア発想や新規事業開発といった創造的プロセスへの応用だ。そんなゲームを多数制作しているルテシアの大山徹さんに話を聞いた。

アナログゲームの普及とビジネス活用

ゲーミフィケーションにまつわる状況は変化していると感じています。以前は企業がスマホのゲームなどをつくり、遊びの要素を盛り込んでビジネスに活用する流れが盛んにありました。ただ、ユーザーを離脱させないために毎日ログインやランキング制度を取り入れるなど、射幸心を煽りすぎたことから、ゲームの中毒性をビジネスに悪用しているといったイメージが先行し、「ゲーミフィケーション」のブームが下火になった印象がありました。

そんな中、最近は企業が研修などにアナログゲームを取り入れる動きが増えています。たとえば脱出ゲームを活用して社内コミュニケーションを活性化したり、マーケティング研修でボードゲームを使ってシミュレーションをすることでより理解が深まったり。さまざまな形でゲームが活用されています。

その背景として、ユーザー側のプレイ環境も変化しているように感じています。企業にアナログゲームを提案する際も、「時々ボードゲームやカードゲームで遊んでいる」という人が増えてきています。企業内で部活動としてボードゲーム部を有すこともあるようですね。また平日朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系列)ではアナログゲームを取り上げてくれていたり、著名なYouTuberが動画でボードゲームをプレイしたりと、世の中的にアナログゲームの...

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楽しみながら学ぶゲーミフィケーションとデザイン

ゲームの仕組みを用いて課題を解決する「ゲーミフィケーション」。以前から提唱されてきた考え方ですが、今あらためて、教育にとどまらず社会問題の啓蒙や企業研修など幅広い領域で導入されています。そこで今回の特集では、“楽しみながら学ぶ” を実現するゲーミフィケーションの可能性をデザインとクリエイティブの視点から探ります。外形的なデザインだけでなく、ルール設計や物語性、UI/UX などが、どのように認知や行動を変えていく力を持っているのか。実際の導入例や、多くのゲームを手がける専門家やクリエイターとともに、考えていきます。

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