カンヌライオンズ内で行われる、30歳以下が対象のコンペ大会「Young Lions Competitions」、通称ヤングカンヌ。今年度、日本チームは受賞を逃したが、ゴールド受賞チームから学べることとは?日本代表チームの6組に自身の企画と共に振り返ってもらった。
30周年のメモリアルイヤー

今年のヤングカンヌは昨年と同じく、日本チームからはマーケターズ部門を除く6部門(デザイン・デジタル・フィルム・メディア・PR・プリント)、6組12人が参加した。いずれも予選にあたる日本代表選考会をトップで通過したチームだ。
会場は昨年に引き続きフランス・カンヌでの現地開催。今年はヤングカンヌ30周年という節目の大会でもあり、67の国・地域から約460人が参加した。大会の流れは、まずブリーフィングや対面でのオリエンテーションがあり、初めてお題が明かされる。その後、デザイン・デジタル・メディア・PR・プリント部門は24時間で企画を制作、フィルム部門では48時間で60秒のムービーを制作し提出しなければならない。プレゼンテーションを経て、結果はフェスティバル最終日の6月20日(現地時間)に発表された。
今年はトルコがマーケターズ部門で、グアテマラはフィルム部門で初のゴールドを獲得するなど、国際的なクリエイティブ力の高まりを再認識させる大会となった。

出場した日本チーム(6組12名)。


カンヌ現地での受賞チーム発表の様子。
デザイン部門
日本チームの企画
「ALWAYS THE STORYTELLER!」

昔から、インドではビジュアルを通じて物語が語られてきた。今、若者がSNSで日常を共有する姿も、昔と変わらず同じ行為ではないかと考えた。そこから発案したのが「ALWAYS THE STORYTELLER!」という展示タイトル。インドの伝統的な色彩と文字の形を再構築し、発話の記号を取り入れながら、インドらしさを活かしたビジュアルをデザインした。
企画意図
時代や様式が変わっても人が物語を伝える行為は変わらない。このことを、最初は繋がりを示す一本のヒストリーラインで表現するアイデアも出たが、SNSなど現代の特性も考慮し、来場者によるコミュニケーションが生まれるようなロゴにした。また、展覧会が世界を巡回しても一目でインドらしさが伝わるよう工夫した。