海外アワードで話題になった、数々の企画やプロジェクト。そこから浮かび上がってくるのは、これからのクリエイティブ産業が向かうべき未来のヒントだ。現地で審査に携わったクリエイターのほか、自ら足を運び熱気を肌で感じたクリエイターたちに、受賞作の中で一押しの事例や今年を象徴するキーワード、審査の論点などを聞いた。
ブランドの信頼

Brand Legacy
ブランドの本質や原点回帰が各アワードで目立った1年でした。カンヌでも、ブランドが以前から積み重ねてきた「信頼の貯金」を最大活用した施策が目立っていたと思います。日本は世界の中でプロモーション広告の割合が多く、ブランディングが決して上手ではないマーケット。ブランドの資産を積み重ねていく活動に今一度再注目していきたいです。(浅井雅也)

らしさを貫く/Brand Consistency
Dove「Real Beauty」、KitKat「Have A Break」、Apple「Shot on iPhone」。一人にひとつのパーソナライズされたメッセージではブランドはつくれない。みんなに「共有できる価値」を訴え続けたブランドが結局強い。(細田高広)

「どうストーリーを語るか?」から「どう信頼を築くか?」へ
ストーリーは人を動かす力を持っている。でも、たとえ真実でなくても人を動かせてしまう危うさもある。だからこそ、これからは「信頼を獲得すること」に重きを置くべきだ。(レイイナモト)
結局、何を成し遂げたか

Story“doing”
うわべだけを取り繕った“ウォッシング”が各地で問題になる中で、ブランドの信念を美しく語るだけのストーリーテリングはもはや不十分。実際にブランドが何をソリューションしたか、何をDOしたかが大事であることを、Penny「Price Packs」などの受賞作が示してくれました。(谷脇太郎)

Festival of “Work”
乗車券を買わないならクジをつけましょう(「Lucky Yatra」)。Z世代の認知が低いので目立つキャラをつくりましょう(「Nut...