「夫婦同姓」を男女の共通課題に昇華

カンヌライオンズの応募時に提出したケースボード。「全員が佐藤さんになってしまった世界」がひと目で伝わるビジュアルをメインに置き、説明部分は特に背景の部分を厚くしている。
2025年、世界の広告賞で評価された「#2531佐藤さん問題」。一般社団法人「あすには」が提起する、選択的夫婦別姓の問題を“未来に苗字が絶滅する”という視点で捉え直した企画だ。
中心メンバーであるクリエイティブディレクターの石塚啓さんは、企画の元になった原体験をこう話す。「僕には子どもはいないのですが、少し前に唯一の兄弟である兄が結婚して娘が生まれたんです。その時、このままだと石塚という苗字はゆくゆく途絶えるんだな……と感じて。それが選択的夫婦別姓の是非が問われている社会状況と重なり、この問題をより広く知っても...