TYO学生ムービーアワード 金賞は『赤のあいだ』 企画力やメッセージの強さを評価

公開日:2026年4月30日

PR
  • TYO Inc.

3月10日、TYOは通算6回目となる「TYO学生ムービーアワード」の表彰式を開催した。多数の応募から最終ノミネートされたのは5作品。審査員による厳正なる審査の結果、金賞・銀賞・銅賞・審査員特別賞が決定した(各受賞者の所属・学年は応募時のもの)。

(後列左から)審査員の松井一紘さん(FIELD MANAGEMENT EXPAND)、佐藤渉さん(TYO / WHOAREYOU CMディレクター)、特別審査員の別所哲也さん(俳優/国際短編映画祭代表)、ファーストサマーウイカさん(俳優/タレント)、審査員の金野恵利香さん(CMディレクター)、早船 浩さん(TYO)。(前列左から)川﨑瞬さん、山野拓海さん、和田唯吹さん。

表彰式の様子。

6回目の学生ショートフィルムコンテスト

「TYO 学生ムービーアワード」は、次世代の才能の発掘と育成、そして映像業界全体の発展に寄与すべく、コンテンツプロデュースカンパニー・TYOが開催している学生を対象としたショートフィルムコンテスト。2018年に第1回が開催され、今年で6回目を迎えた。今回は「ルール」というテーマから発想した60秒のショートフィルムを募集。全国から多数の映像作品が寄せられた。

最終ノミネートに選出されたのは全5作品。その中から、アベーノワ ソフィアさん(東京大学大学院)の『赤のあいだ』が金賞に選ばれた。横断歩道の赤信号の色が変わるまでの間、相互に渡ろうとするそぶりを見せては牽制し合う男女の交流を描いた作品だ。「渡ってはいけない」というルールの下で生まれた遊び心をせりふなしで表現し、その読後感が高く評価された。ソフィアさんは「このような賞をいただけて大変光栄です。公募型のアワードへの挑戦は若いクリエイターにとって非常に励みになる機会だと実感しています」と喜びを語った。

本作について、審査員の佐藤渉さん(TYO / WHOAREYOU CMディレクター)は、「誰でも映像のつくり手になれる今だからこそ、企画力やメッセージ性の強さが際立っていた」と評価した。「視聴者にテーマを考えさせるような深みや、余韻を感じる作品。『ルール』というテーマから連想しやすいモチーフである『信号』と人間同士の距離感や心の機微を重ねることで、革新性を生み出していました」。

銀賞は山野拓海さん(青山学院大学)の『スマホゾンビ』。歩きながらスマホに夢中になっている男性の周辺で巻き起こる事故をダイナミックなCGを用いて表現した。審査員を務めた金野恵利香さん(CMディレクター)は「CGのクオリティが素晴らしく、熱量を感じる作品。映像表現に圧倒されました」と評した。

このほか、銅賞は栁谷拳人さん(大分県立芸術文化短期大学)の『行列のできる中華料理店』と和田唯吹さん(日本大学)の『3秒保安官』、審査員特別賞は川﨑瞬さん(城西国際大学)の『rule FACTory』が受賞した。それぞれ「アニメーションが素晴らしく、行列というルールがエンタメ化されている」(特別審査員・ファーストサマーウイカさん)、「子どもが見ても面白い作品」(審査員・早船浩さん)、「ルールを描くだけでなく、ルールを問いかける内容まで描けていた唯一の作品」(審査員・松井一紘さん)と話し、評価されたポイントが明かされた。

終盤には早船さん(TYO 代表取締役社長)が主催者を代表し総評を述べた。「今回のテーマである『ルール』について、“身近なルール” “ルールの矛盾” といった多様な着眼点が見られました。『ルール』を印象的に表現するためには、普遍的な要素と変化する要素をうまく落とし込むことが重要だという気付きもありました。今回も学生の皆さんならではの視点を通じて新しい表現を発見でき、とても楽しい審査でした」と締めくくった。各受賞作品は公式サイトで公開している。



金賞 『赤のあいだ』

アベーノワ ソフィア
東京大学大学院
人文社会系研究科 基礎文化研究専攻
美学芸術学専門分野 修士2年

受賞コメント:私は「ルール」そのものというよりも「ルール」を破りたいという衝動と、「ルール」がなくなることへの不安という矛盾している気持ちを描きたいと考えました。制約があるからこそ、遊び心や緊張感が生まれるけれども、自由が与えられた瞬間、急に現実との距離感や気まずさが生まれる――そういう心の揺れを表現しました。

https://youtu.be/nMlKkhT_Ey0

  • 企画+演出+撮影+編集/アベーノワ ソフィア
  • 出演/野上桜禅、環ここ

銀賞『スマホゾンビ』

山野拓海
青山学院大学
文学部 英米文学科1年

受賞コメント:「ルール」というテーマを聞いて、Z世代としてはスマホに関する題材の企画にしたいと思いました。歩きスマホの問題は自分の中でも大きかったこともあり、主題にして進めることを決めました。CGは小学生のころからずっとつくっていたので、いま認められた気がしてすごく嬉しいです。いただいた賞金を使って表現の幅を広げたいです。

https://youtu.be/CNlCG4zENo0

  • 企画+演出+撮影+編集+VFX+SE+出演/山野拓海
  • 撮影/小林万倫
  • 出演/橋本一慶、大谷一樹、鈴木陽幸

銅賞『行列のできる中華料理店』

栁谷拳人
大分県立芸術文化短期大学
専攻科造形専攻
メディアデザイン映像コース1年

受賞コメント:今回のテーマを考えた時、私たちは普段、意識することなく多くの「ルール」に従って生活しているのではと思いました。たとえば「行列」という現象は、無意識の共通認識によって形づくられる社会の縮図のようだと感じました。モチーフとして「行列」を取り入れてルールの姿を表現できないかと思い、この作品のアイデアに至りました。

https://youtu.be/babpSRtP9K0

  • 企画+演出+アニメーション+編集/栁谷拳人

銅賞『3秒保安官』

和田唯吹
日本大学
芸術学部 映画学科
映像表現・理論コース1年

受賞コメント:「誰が見ても楽しい映像であること」を大事にしていて、それが伝わったのかなと思います。賞をいただいて努力が報われました。自分が今できることだけでなく、できることを増やそうと悩みながら作品をつくっていったので、自分の成長を感じながら完成させた作品だと思います。

https://youtu.be/WX3iiUTVhpw

  • 企画+演出+編集/和田唯吹
  • 撮影/佐藤寿芳(助手)
  • 録音/中村亮一郎
  • 出演/溝上竜次

審査員特別賞『rule FACTory』

川﨑 瞬
城西国際大学
メディア学部 メディア情報学科
映像芸術コース3年

受賞コメント:「ルール」というテーマを聞いたときに、守る、破るではなくもうひとつの別の軸で考えたいと思いました。「ルール」自体の構造を描いて問いかけ、「ルール」は誰が決めて誰に従うのだろう、それって怖いなと思ったのが作品をつくったきっかけです。将来はCMディレクターになりたいので、今回受賞できたことは大きな一歩だと思っています。

https://youtu.be/gKU7Wr0rSV8

  • 企画+演出/川﨑瞬
  • 制作/近藤咲希
  • 演出/柴本尚宗
  • 撮影+照明+カラリスト/木皿裕貴
  • 録音/川面由衣
  • 美術+ST+HM/北島夢唯
  • 編集+VFX+音楽+SE/神田紬
  • 出演/大村一平、齋藤翼、鈴木純、SASLIME、房野晃士、東頭しゆう

この記事をシェア