2026年1月31日の夜から2月1日の早朝にかけて、紀伊國屋書店 新宿本店でオールナイトイベント「KINOFES 2026」が開催された。書店という場を“フェス”として再解釈した試みだ。なぜ今、紀伊國屋書店がこの試みを実施したのか。そしてその成果は?仕掛け人たちの話から、これからの書店の可能性を探る。
「KINOFES 2026」の様子。会場は紀伊國屋書店 新宿本店の1階から8階。
本屋を“フェス”にするという発想
「KINOFES 2026」が開催されたのは、紀伊國屋書店 新宿本店の営業終了後である1月31日の20時半から2月1日の朝6時まで。1~8階の全フロアを開放し、トークイベントや体験型企画などを夜通し行うという試みだ。通常チケットは3850円(税込)。用意したチケット約630枚は告知開始4時間後に売り切れ、当日は関係者を含む約750人が、深夜の店舗に集まった。
企画の発端は、書店という場が持つ潜在的な資産への着目だった。企画sを手がけたDRUM UP代表の中野雄一さんは前職の博報堂時代に「本屋大賞」を立ち上げるなど、出版業界の傍らで書店を見てきた立場だからこそ、その可能性を強く感じていたという。「書店は濃厚なコンテンツが集積された場です。出版不況という状況はありつつも、外から見ると、まだまだ活かしきれていない資産がたくさんあると感じていました。それをライブという形に持っていくことで、もっと多様な試みができるのではないかと考えていたんです」(中野さん)。
なかでも紀伊國屋書店 新宿本店は、新宿という街の中心に位置する象徴的な書店であり、長い歴史と圧倒的な品揃えを誇る。街の特性を活かした企画として、中野さんたちが提案したのが「オールナイトフェス」という形式だった。「新宿は“眠らない街”と言われていますし、夜との相性が良い。深夜でもタクシーがたくさん走っているし、時間をつぶせる居酒屋やカフェも周りにたくさんあります。他の街では成立しにくいことも...


