市民参加と創造性を促したディレクターとシステムを超えたメタ・システム

公開日:2026年1月06日

  • 三木 学(美術評論家・色彩研究者)

1970年大阪万博のデザインからの継承と発展

延べ2900万人を超える人々が「デザインシステム」を体験し、さらに共創したのが2025年の大阪・関⻄万博であった。1970年の大阪万博においても、公式ロゴマークに加えて、デザイン方針や色彩基本計画が定められ、それをもとにピクトグラム、サイトファニチャーなどがデザインされることで、一貫したイメージと多様性を提供していた。それはある意味で「デザインシステム1.0」といえるものだった。それから55年後の2025年の大阪・関⻄万博との違いは、デジタル化やインターネットの普及によって、デジタル情報が飛躍的に増加し、アナログとデジタル、時間と空間、平面と立体を横断し、多くのクリエイターが参加して制作する「デザインシステム2.0」が不可欠となったことだろう。

また、2005年の愛・地球博の「モリゾー」「キッコロ」のように、公式キャラクターが決められた。1970年の大阪万博では、岡本太郎の「太陽の塔」が、ある意味でキャラクターの代替となっていた。公式ロゴマークが決定した後、公式キャラクターとして「ミャ...

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大阪・関西万博デザインシステム大解剖<拡大版>

「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げ、2025年に開催された大阪・関西万博。閉幕後の今もなお、その象徴的なキャラクター「ミャクミャク」を筆頭に、多くの人々に強い記憶を残しています。その熱狂を高めてきたのが、“開かれたデザイン”をコンセプトとした「EXPO 2025 Design System」の存在。そこから生まれた「こみゃく」の二次創作なども盛んに行われ、多様な人々の参加と共創を促す“生成的オープンデザインシステム”として世の中に広がっていきました。今号では、2025年8月号の本誌特集「デザインシステム大解剖」をさらに拡大。システムの中核を担った引地耕太さんと改めてその全貌を紐解きつつ、本万博にまつわるデザインやキャラクターなどの“ソフトレガシー”が、これからの世の中でどう活かされていくのか、多様な領域の専門家らとともにその可能性を掘り下げます。

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