組織を離れ、個として市場と向き合う道を選んだクリエイターたち。どんな領域にニーズがあると捉え、またこれまでに培ったどんな強みを武器として、新たな一歩を踏み出しつつあるのか。近年独立をした5人の思考から、これからの広告クリエイターに求められる力と役割を探る。
Q1. このタイミングで独立を選んだきっかけは。
Q2. 独立の際の最大の“強み”となったことは。
Q3. 広告出身のクリエイターには今後どんな力や役割がより求められていくか。
人に求められるのは「どんな答えを目指すか」
A1. 屋号の「IDEPEN」には、「世界をより良く変えようとする人のペンになる」という誓いを込めました。自分の中のこの思いに気付いてから、領域は広告に限らず、組織にもこだわらず、柔軟で、本質的に、ひとつのことに専念できる環境を求めて優先順位を整理した結果、独立することがその想いを実現するベストな形だという結論にたどり着きました。
A2. 入社時はマーケティングプランナー配属でした。そのためか、表現レイヤーだけでなく、戦略レイヤーのクリエイティビティにもずっと関心が高く、それを言葉で解決するのが好きでした。戦略の太い幹となるコンセプトから、表現のディテールを握るキャッチコピーまで、戦略と表現、両方の言語化を楽しみながらどんな仕事にも取り組める点が、独立後の最大の強みとして活きていると実感しています。
A3. 広告クリエイティブの本質は課題解決にあり、そこには機能と美しさが両立される「機能美」があるべきです。AIの出現により、合理的・効率的な正解がたやすく出せる時代だからこそ、人間には「どんな答えを目指すのか」、その方角を決める意志や、飛距離を出すための個性が求められます。手段としての AI、目的を生み出す人間。その協業の中で、多様な機能美が生まれていくこれからの世界が楽しみです。
井手康喬(いで・やすたか)
IDEPEN 代表。クリエイティブディレクター/コピーライター。2004年博報堂入社、2025年独立。言葉の...

