2025年度のグッドデザイン賞は、国内外から5225件の応募があった。審査委員長を務める齋藤精一さんとともに、今年度のテーマである「はじめの一歩からひろがるデザイン」のもと、上位に入賞した作品や傾向を振り返る。
齋藤精一(さいとう・せいいち)
建築デザインをコロンビア大学建築学科で学び、2006年、ライゾマティクス(現:アブストラクトエンジン)を設立。2020年に地域デザイン、観光、DXなどを手がけるデザインコレクティブ「パノラマティクス」を結成。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。
これからは「先回り」のデザイン
最近のデザインの傾向を見ていると、組織の中にいる「個人の熱量」が出発点となり、やがて製品やサービスへと広がっていく事例が非常に増えていると感じています。今回のグッドデザイン大賞に選ばれた「DLT木造仮設住宅」は、まさに今回のテーマである「はじめの一歩からひろがるデザイン」を体現しています。ご存じの通り、設計を担当された坂茂さんと坂茂建築設計の皆さんは、災害が起こるとすぐに現地に向かい、活動を続けています。今回のDLT木造仮設住宅も、そうした熱量から生まれたものだと思います。
仮設住宅「DLT木造仮設住宅」(坂茂建築設計+家元+長谷川萬治商店、大賞)。
この住宅の素晴らしさは、仮設でありながら質の高い住環境を実現...
