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「欲しい」をつくるネーミングと行動デザイン

「健康」より「体験」重視で差別化 乳製品のデザイン

千葉市に本社を置く古谷乳業が一風変わったネーミングやパッケージの商品を発売している。その名も「ミルクの束縛」「ぐうたら蜜バチ」など。昨今「健康」訴求が売れ筋の乳製品カテゴリにおいて新たな存在感を放っている。

「純ミルクコーヒー」「頂ミルクコーヒー」「極ミルクコーヒー」といった候補を経て、生乳の含有量に縛られてしまう気持ちを体現した「ミルクの束縛」に決まった。

「おいしさ」訴求×「体験性」

1945年に創業した古谷乳業は、牛乳やヨーグルトなどの処理・製造・販売を行っている。千葉県の学校給食でおなじみの「フルヤ牛乳」を展開するほか、地域のスーパーや病院に乳製品を卸している。

そんな古谷乳業が2023年から24年にかけ、2つの挑戦的な商品を発売した。ひとつは23年11月に販売を開始した、乳飲料「ミルクの束縛」。生乳75%と砂糖とコーヒーのみを原料とした、牛乳好きのためのミルクコーヒーだ。もうひとつは24年9月に発売した「物語のあるヨーグルト」シリーズ。現在に至るまで「冬の入道雲」(無糖)、「ぐうたら蜜バチ」(蜂蜜入り)、「姫のひとくち」(脂肪ゼロ)をラインアップしている。

同社のそれまでの堅実なイメージの商品群とは一線を画した、遊び心のあるネーミングやデザインの商品。「ミルクの束縛」は、発売から1年4カ月で累計出荷本数200万本を突破し、東北・関西エリアでも展開を開始。「物語のあるヨーグルト」も…

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この記事が含まれる特集

「欲しい」をつくるネーミングと行動デザイン

商品のコモディティ化が進み、SNSなどネット上を中心とした購買行動が定着している現在。プロダクトの「顔」となる商品のネーミングは、店頭のみが購買起点となっていた時代とは役割が大きく異なっている。生活者に愛されるキャッチーさを内包することはもとより、その先の「欲しい」「買いたい」といった態度変容を喚起する"行動のデザイン"が求められているともいえるだろう。さらには多くの人が当たり前だと思っていた従来の慣習などを変えるようなコミュニケーション設計においても、そのネーミングが起点となることが多い。今回は話題の商品やプロジェクトを例に、クリエイターの視点から人を動かすネーミング、行動デザインを探る。