ネーミング集団が考える「ずるい」ネーミング

公開日:2025年3月27日

2024年9月に発足した、倉成英俊さん率いるネーミング専門のチーム「β naming club」。日々多様なネーミングの“収集”もしている彼らになかでも「ずるい」と思うほどのネーミング4本を挙げてもらった。

店との距離が縮まるWi-Fiネットワークのネーミング

高橋鴻介 選

Hey Mom Click Here for Internet

海外でカフェに入ると、たまに面白いWi-Fiのネットワーク名と遭遇する。今住んでいるオランダで先日入ったカフェでは、「Hey Mom Click Here for Internet(やあ母さん、ここをクリックするとネットに繋がるよ)」というネットワーク名で、ついニヤリとしてしまった。

調べてみると、他にもユーモアやアイロニーにあふれるネーミングがたくさんある。たとえば「Password is password(パスワードはpasswordです)」「You use I pay(あなたが使い、私が払う)」など。そこに少しのキャラクターがあるだけで、店との距離がぐっと縮まるのはなぜだろう。そんなかわいらしさをちょっとずるいと思った。(高橋鴻介)

オノマトペの魔法

キリーロバ・ナージャ 選

ごきぶりホイホイ
(アース製薬)

日本で小学生だったとき…

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この記事が含まれる特集

「欲しい」をつくるネーミングと行動デザイン

商品のコモディティ化が進み、SNSなどネット上を中心とした購買行動が定着している現在。プロダクトの「顔」となる商品のネーミングは、店頭のみが購買起点となっていた時代とは役割が大きく異なっている。生活者に愛されるキャッチーさを内包することはもとより、その先の「欲しい」「買いたい」といった態度変容を喚起する"行動のデザイン"が求められているともいえるだろう。さらには多くの人が当たり前だと思っていた従来の慣習などを変えるようなコミュニケーション設計においても、そのネーミングが起点となることが多い。今回は話題の商品やプロジェクトを例に、クリエイターの視点から人を動かすネーミング、行動デザインを探る。