クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に活かしているのか。今回は2024年に初のエッセイ集『みずのした』を発表した写真家の中川正子さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。
『ダンス・ダンス・ダンス』
村上春樹(著)(講談社)

高校生の頃に初めて読んでから何度読み返したかわからない。いくつものセンテンスをそらんじることができます。この本は小説の形をとった村上さんの哲学の本だと感じています。記憶に残るフレーズはいくつも。登場人物の羊男の「踊るしかないんだよ」「それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに」もそのひとつ。これ...