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好調企業・ブランドの勢いを加速させるクリエイティブ

攻めがなければ、お客さまにとっては動きがないブランド

動物園と水族館の飼育員が撮影したかわいらしい写真がパッケージになったマウントレーニアが今年の4月から販売されている。動物たちはゴマフアザラシ、シャチ、ウサギ、ライオンなど累計32種。出荷本数が昨年比114%の2000万本を突破するなど好調だという。パッケージ、トレインジャック、新聞広告などで“深い癒やし”を提供するこのプロジェクトがどのように生まれたのか聞いてみた。

動物たちがパッケージになった「マウントレーニア カフェラッテ」~深い癒やしパッケージ~(計16種類)の夏版。天王寺動物園 ホッキョクグマ(ホウちゃん)、アドベンチャーワールド パンダ(楓浜)、鳥羽水族館 ラッコ(メイ)のほか、おたる水族館、登別マリンパークニクス、鴨川シーワールド、横浜・八景島シーパラダイス、伊豆アニマルキングダム、伊豆シャボテン動物公園、神戸どうぶつ王国、アフリカンサファリと全国11の動物園と水族館の動物が登場する計16種類のパッケージを用意した。

三方良しのコミュニケーション

「今期のコミュニケーションを考え始めたのは、去年の7月末頃のことでした。コロナがいつ収束するのかわからないストレス、自粛生活の終わりが見えないストレス(ステルスストレス)がたまっているような状態だったと思います。そこで、これまで“味の癒やし”を提供してきたマウントレーニアとして人の心を癒やすことができないか、マウントレーニアの存在意義を再定義しようと考えました。人々に癒やしが届けられるようなメッセージを発信し、具体的なアクションまで落とし込んだコミュニケーションができないかと博報堂の河西智彦さんに依頼しました」と森永乳業 マーケティングコミュニケーション部 部長 林正義さん。

これまで河西さんが担当してきた広告キャンペーン事例を見ての指名依頼だ。

癒やしを提供するという軸が定まっていたことで、企画はスムーズに進行したという。味覚だけでなく視覚の癒やしを加えることで、“深い癒やし”を提供できるのではないかと考え、ビジュアルから検討していった。

「林さんたちとは、どんなビジュアルで癒やすかについて議論を重ねました。その中で注目したのは、生活者以外の人々にも“WIN”を届けられないかということです。動物園や水族館はコロナで特に大きな打撃を受けています。飼育員の皆さんに撮影いただいた写真をパッケージに採用し、売上の一部を飼料代として寄付する。そして、コロナが収束したらまた遊びに行きたいと思ってもらえるような企画にできないかと考え、動物園や水族館のかわいい動物たちで視覚の癒やしを提供することを提案しました。『生活者に深い癒やしを届ける』『動物園や水族館のPR』『マウントレーニアを買ってもらえる』という生活者、動物園や水族館、マウントレーニアの三方良しの企画です」(博報堂 クリエイティブディレクター 河西智彦さん)。

「最後に決め手となったのは、苦しんでいる人みんなをハッピーにできるプロジェクトだということでした」と林さんも続ける。

広告でも深く癒やす

「マウントレーニア 深い癒やしプロジェクト」の最初の展開は、商品のパッケージだ。4月12日週から全国で、旭山動物園、埼玉県こども動物自然公園、那須どうぶつ王国、姫路セントラルパーク、長崎バイオパークにいる動物の赤ちゃんたちの写真を使用した16種類のパッケージのマウントレーニアが販売された。たくさんの種類があることで、各施設にどんな動物がいるか知ってもらえるし、生活者は何度も買いたくなる。このパッケージでの展開は、味覚と視覚で癒やしを提供するためには欠かせない要素で、最初に決まった媒体だ。

「日常生活で偶然接する場所やストレスを抱えた人たちがいるような場所に広告を出すことで、その人たちを癒やしていこうと、他の媒体は選んでいきました。コロナで通勤すること自体が大きなストレスになっていたからトレインジャック...

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上昇気流に乗り、勢いのある企業・ブランドの広告、プロダクトの数々。その一連のクリエイティブはどのように生み出されているのか。そこには挑戦するクライアント企業の揺るがない意志やブランドパーパス、クリエイターたちの並々ならぬ熱量、そして両者の強固なパートナーシップがあります。With コロナで長引く閉塞感をものともせず、社会に新たなムーブメントやポジティブな空気をつくり出す――そんな勢いづいた広告コミュニケーションを生み出している現場に迫ります。