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SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会

「乾癬」の誤解を解く、製薬会社発のアパレルブランド

ヤンセンファーマは2020年11月25日、乾癬患者の心身の悩みを軽減するプロジェクト「FACT FASHION~真実を着る、誤解を脱ぐ。~」の立ち上げを発表した。

患者の7割が「『衣』にストレス」

「FACT FASHION」は、乾癬(かんせん)患者会とアパレルブランド「MAISON SPECIAL」との協業で、乾癬患者のための衣服をつくって販売するプロジェクトだ。

そもそも「乾癬」とは、どのような病気なのだろうか。主な症状は、皮膚が赤くなる、細かいかさぶたのようなものができる、それがボロボロと剥がれ落ちてしまうなど。関節の腫れや痛みがある場合もある。外敵から体を守る免疫作用が過剰に働いてしまうことが主な原因とされ、約50~60万人の患者がいるが、「症状の見た目や、“感染”を想起させる病名によって生まれる誤解から、人によっては、どこにいても、誰といても、視線を感じてしまうなど、精神的な負荷が大きい疾患」(乾癬の疾患啓発プロジェクトHPより)でもあるという。

プロジェクトを提唱したヤンセンファーマのコミュニケーション&パブリックアフェアーズ部 岸和田直美さんは、経緯をこう話す。「当社では、『ビヨンド・ザ・ピル(医薬品を超えて)』という姿勢を大切にしています。製薬会社として革新的な医薬品の開発はもちろんなのですが、それだけでは解決しきれない患者さんの課題に、さまざまな方法でアプローチしていこう、ということです。その中で2018年に『乾癬の疾患啓発プロジェクト』を発足させました。病気が知られていないことで生じる、乾癬患者さんたちの精神的な負担の軽減を目指したものです」。

同年10月にはその一環として、アートを用いて乾癬の認知度を高める試み「ふれられなかったにんげんもよう展」を開催。その後も継続的に患者の悩みを掘り下げていく中で、衣服に関する悩みが大きいことが徐々に明らかになっていった。さらに20年7月に実施したアンケートが、プロジェクトの必要性を裏付ける。

「患者さんの約6割が『症状による日常生活への影響で精神的な悩み』を抱えていて、約7割の方が衣食住の中で特に『衣』にストレスを感じている、という結果が出ました。実際に悩みを感じている、という声も沢山いただいて。衣服に挑戦する、というアイデアは患者さんの声から生まれたんです」(岸和田さん)。

試作品の着用テストの様子。

ストレスを解消するこまやかな工夫

共に企画を進めたオズマピーアール ヘルスケア本部 野村康史郎さんは「症状のせいで...

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SDGsの達成へ クリエイターが考える持続可能な社会

2030年をゴールとし、国連が推進しているSDGs(持続可能な開発目標/Sustainable Development Goals)。2020年にはSDGs達成のための「行動の10年(Decadeof Action)」がスタートし、企業は規模を問わず行動、実践のフェーズへと移行しつつあります。2021年、企業の課題解決に取り組むクリエイターにとっても無視できないトピックであるといえるでしょう。そこで本特集では、クリエイティブ、デザインの視点からサステナブル(持続可能)な価値を提案している事例を取材。SDGsの基本原則である「誰一人取り残さない世界の実現」に向けて、クリエイターが今、取り組むべきこととは。