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企業の姿勢を表現する 動画・映像のクリエイティブ

ブランドムービーが漁師や自治体職員の心を動かし、サービス導入へ

長崎県佐世保市に本社を構えるオーシャンソリューションテクノロジー。長年蓄積された漁師の経験や技術、勘をAIを活用しデータ化したサービス「トリトンの矛」を提供している。水産資源を守りながら効率的で収益性の高い漁業を実現し、若手漁師へ技術を継承することが目的だ。そんな同社が2020年8月、ブランドムービー「継がれていく」篇を公開した。漁師の父。一度は故郷を離れた息子。そして母。ひと組の家族の繋がりを、情緒的なモノローグを活かしながら描いていく。

サービスを身近に感じてもらえる動画

「ブランドムービーをつくろうと思った最初のきっかけは、単純に面白いものをつくりたいと思ったことです」と話すのは、オーシャンソリューションテクノロジー 代表取締役 水上陽介さん。漁師を相手とする同社のビジネスでは、面白さや共感性の高さがとても重要になるという。

「水産庁の調査によると、漁師の平均年齢は56.9歳。高齢化が進み、ITリテラシーは決して高くありません。私たちが提供するサービスはAIを活用していますが、AIと聞くだけで拒否反応を起こしてしまう人もいる。サービスの話を聞いてもらうのも難しい状況がありました。ただ多くの漁師が、跡取りがいない、収入の問題から『継がせたくても、継がせられない』という悩みを抱えています。江戸時代から漁を続けてきた家も多く、自分の代で終わらせることに歯がゆい思いを感じている。そんな漁師の想いに寄り添えればと動画の制作を決めました」

そこで声をかけたのが同級生でもある、満 CMプランナー/コピーライターの村橋満さんだ。「話を聞いたときに思ったのは、“いい話”だけで終わらない動画にしたいということです。水上くんが全国の水産業の皆さんに自らの足でサービスを説明してまわっているのを知っていたので、そんなときに興味を持ってもらう、想いを伝えるための営業ツールとして機能することを念頭に置きました」(村橋さん)。監督の奥野俊作さんも同級生、プロデューサーを務めたロックンロール・ジャパンの川崎洋平さんも同い年で同じ九州出身という、何かと縁がある4人が中心となって企画を進めた。

リアルな漁師の姿を描く

企画を考えるにあたっては、サービスを物語の中心に据えることを意識している。「『陸上のリレーでうまーくバトンを受け継ぐコツ知っとる?渡す方も受け取る方もしっかり前を向くこと』というセリフがありますが、物語では、『トリトンの矛』が、父から息子へと技術を受け渡す架け橋のような存在であることを表現しています。また、『トリトンの矛』のことを伝えるために、動画内に使用シーンはしっかりと入れ込みました。ノートに書いた内容を...

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企業の姿勢を表現する 動画・映像のクリエイティブ

企業のブランディングにおいて、その人格や姿勢、なりたちを表すようなストーリーやエピソードを抽出し、どんな手段で伝えるかが課題となっています。今回は、共感を呼び、ファンを生み出すためのブランドストーリーを表現する手段のひとつとして、動画・映像を活用する企業側と制作者の声に注目。制作プロセスの段階で、ブランドを体現してきた人々やステークホルダーの声をどう組み入れ、表現へと展開していったのか。また、完成した動画をいかに伝播させていったのか。第一線で活躍するCMプランナーたちの2020年の振り返りも交え、映像表現の「今」を捉えていきます。