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制作環境の変化で拡大するキャラクター活用

「キウイ」を人気者に変えた売り場起点のコミュニケーション

真面目で正義感が強い「グリーン」と陽気で甘えん坊な「ゴールド」のふたりからなるゼスプリの「キウイブラザーズ」。2016年の登場以来、お茶の間でも店頭でも愛されるふたりのキウイはどのように生まれ、成長してきたのか。

「タレントからキャラクターへ」ブランドの資産を積み重ねる

「2016年にコミュニケーションを一新したい、とゼスプリさんからオリエンを受け、当社のアートディレクター 関戸貴美子とコピーライター 木下舞耶と考え始めたのが始まりでした」と振り返るのは、電通のクリエーティブディレクター 北田有一さんだ。当時ゼスプリは、数年ごとに「顔」となるタレントを起用したコミュニケーションを展開していた。

「当時の広告は、タレントがコロコロ変わり、ブランドのアセットになっていないと感じました。またブランドのイメージ=タレントになってしまうリスクもある。さまざまな出面で一貫してゼスプリの記号となり、ブランドの資産になるもの。そしてキウイを中心に据えたコミュニケーション、と考えるとキャラクターがよいのでは?とチームで話しながら企画を詰めていきました」(北田さん)。海外と比べフルーツを食べる頻度が半分以下だという日本で、キャラクターを通じて幼いころからフルーツに親しみを持ってもらうことも期待された。

とは言っても、当時はゆるキャラグランプリなども盛んな時期。「“キャラクター飽和状態”の中でも一過性のブームで終わらず長く愛される、あまり日本的すぎないキャラクターが必要だと思いました」と関戸さんは話す。

「気をつけたのは、キウイそのものの形状や特徴から逃げないことと、キウイのシズルとキャラクターの可愛らしさを両立することです。形はキウイをそのまま模した丸い形状。色は茶色で目立ちづらいため、鮮やかな果肉をチャーミングに見せることにしました。ぬいぐるみの質感や手足の太さなども大切にしています。店頭で、テレビCMを見ていない人にも魅力が伝わるキャラクターづくりにこだわりました」(関戸さん)。

キャラクター設定も、実際の品種に忠実に。日本で栽培されるようになって40年以上が経つグリーンは「真面目で、正義感が強くしっかり者」、後発のゴールドは「陽気でのんきな甘えん坊」。目の輝きもグリーンは1つ、より派手なゴールドが2つ、と違いを表現している。

全国約1万のスーパーにぬいぐるみを無料配布

そうして生まれた「キウイブラザーズ」。2016年5月にはテレビCM「キウイはビタミンだけじゃない」篇を公開。時を同じくして、なんと全国約1万のスーパーマーケットに2匹のぬいぐるみを無料送付することになった。「テレビCMやWeb施策を実施するのは、店頭でキウイを手に取ってもらいたいからです。スーパーの果物売り場にキャラクターのぬいぐるみを置くことで、それまでできていなかった、店頭とテレビCMを紐づけることができました。また、現実のスーパーとキャラクターの舞台をオーバーラップさせ、よりキャラクターに愛着を持ってもらえるようにしました」(関戸さん)。

そのねらい通り、店頭に置かれたぬいぐるみはSNSなどを中心に話題に。持ち帰ってしまった人もいたというエピソードから、その白熱具合がうかがえる。

さらにCMで描かれているキウイたちの性格も、店頭を起点に考えられた。木下さんは...

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広告業界でリモートワークが浸透し、この半年で制作環境が一気に変わりつつある。特にひとつの手段として広がっているのが、キャラクターやアニメーションを使ったコミュニケーション。いずれも既に受け手とのあいだに構築されたエンゲージメント資産を活かせるのが、キャラクター活用のメリットともいえる。おなじみの企業・商品のキャラクター活用事例はもちろん、外部の人気キャラクターを起用した新たな事例なども交えながら、「ニューノーマル」の課題解決にもつながる表現方法を探る。