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バーチャル技術で進化 クリエイティブ表現と「体験」の場

アートと3Dアーカイブ 関係と可能性

新型コロナ禍で、開催期間途中の中止を余儀なくされた森美術館「未来と芸術展」。その記録を残すべく、森美術館初の展覧会の3Dアーカイブが制作された。その試みから見えてきた、アートと3Dアーカイブとの関係性とは。

展覧会を3Dアーカイブ化

昨年11月19日から森美術館で開催された展覧会「未来と芸術展」。AIやAR、バイオ技術、ロボット工学などの最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアートやデザイン、建築を展示し、近未来の都市のビジョンや環境問題、そして社会や人間のあり方を考える材料を提示した。

南條史生さん(現:森美術館特別顧問)が館長として最後に組織した本展は、当初、3月29日まで開催される予定だった。しかし新型コロナの感染拡大状況を鑑み、2月末で展覧会を休止。3月26日に正式に中止が発表された。

約1カ月の開催期間を残して中止となってしまった展覧会を「どうにか別の方法で残せないか」と考えた南條さんが行き着いたのが、この「3Dウォークスルー」だ。アートローグ CEO 鈴木大輔さんがディレクションに入り、Matterportというデジタルプラットフォームが用いられている。展覧会は「都市の新たな可能性」「ネオ・メタボリズム建築へ」「ライフスタイルとデザインの革新」「身体の拡張と倫理」「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成され、100点以上のプロジェクトや作品を紹介。それをWebサイト上で基本は入口から順に見られるようにした。

「作品を静止画で見せる手もありましたが、展覧会は、作品の展示順序や空間構成も含めた内容で構成されています。セクション分け、並び順、そしてどう体感するか。それらを見せる記録媒体としては、3D技術が適切だと思いました」(南條さん)。制作を担ったのは、アートローグのプロデューサーとカメラマンの2人。180度映るカメラで場所ごとに写真を撮影し、後からそれらをつなぐ仕組みだ。撮影スポットが多い方が、より精緻な3D空間ができ上がる。1200~1300平米の面積を有す今回の展覧会では、約120カ所で空間撮影がされた。

「その後、2つの機能を追加しました。ひとつは作品の横に、文字がポップアップしてくるキャプションデータをつけています。会場のプレートの説明は全体画像には映りきらないので、これは必須でした。もうひとつは...

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バーチャル技術で進化 クリエイティブ表現と「体験」の場

コロナ禍で、さまざまな企業コミュニケーションがバーチャルへ移行、あるいはリアルと併存するフェーズへとシフトしている。「ニューノーマル」といわれ、従来のコミュニケーションのあり方に戻ることは難しい今。既に技術的には可能であったVR、ARといった手段の積極的な活用も進んでいる。これによりプロモーションや購買の接点が広がり、バーチャルの"体験"の場を生み出している。リアルの価値の代替となり、さらにはリアルにはなかった新たな価値を生み出す、クリエイティブアイデアの力が試されている。