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身近にある暮らし 地域活性化のクリエイティブ事例

『挑戦する人』と『応援する人』をカンパイでつなぎ、新たなチャレンジを生み出す

"挑戦したい人"と"応援したい人"をつなげることで北海道を元気にする。サッポロビールは、2019年6月に自社のルーツである北海道で、「ほっとけないどう」プロジェクトを開始した。

カンパイでクラウドファンディング

「ほっとけないどう」の中心的な活動は、ドリンクを活用したクラウドファンディング「カンパイ★ファンディング」だ。北海道を盛り上げるコミュニティ「DO!民(ドーミン)」に登録した人に挑戦したい内容をプレゼンする場を提供し、それを聞いて応援したいと思った人が対象ドリンクを買うと代金の一部が挑戦者の支援金に回るという仕組み。このプロジェクトが立ち上がった経緯を、サッポロビール 経営企画部サステナビリティグループの村上涼平さんは次のように振り返る。

「サッポロビールは1876年に北海道で開拓使麦酒醸造所としてビールづくりをはじめた会社で、北海道を"故郷"と呼んでいます。その故郷に貢献したいという想いは会社として深く根付いていることもあり、開拓者ともいえる挑戦者を応援して北海道を盛り上げていきたいと思ったのです」。

その想いを実現するためにプロジェクトメンバーとして参加したのが、北海道でさまざまなプロデュースを行っている大人 代表取締役社長の五十嵐慎一郎さん(ほっとけないどう 北海道事務局長)と、コミュニティ、ファン創りを軸に企業支援を行っているdot button company 代表取締役 中屋祐輔さん(同 東京事務局長)の2人だ。

五十嵐さんはコミュニティ形成による活性化を考えた理由について「道内には面白いことをやっている人やチャレンジしている人がいますが、道内在住の人も東京に出て行った人もその存在を知りません。それは僕も北海道出身だからよくわかります。だから今回のプロジェクトでは道内/道外の人が交流できるコミュニティをつくり、その人たちの存在を知り、"こんな人たちがいるんだ。じゃあ自分も北海道で何かやってみよう"というチャレンジのきっかけをつくれたらと思いました」と話す。

ドリンクを購入して乾杯することで支援するカンパイ★ファンディングというユニークな仕組みにたどりついたのは、サッポロビールの想いが大きく影響している。「当社は"乾杯をもっとおいしく。"を皆さまに伝えたい言葉にしています。乾杯は人と人をつなぐものであり、今回のプロジェクトも"挑戦者と応援者をつなぐ"ものなので、乾杯をひとつの仕組みにして支援する形を考えました」(村上さん)。

活性化するコミュニティ「Do!民」

挑戦者は、主婦や、漁師、大学生などの個人に加え、各種団体なども対象となる。「北海道産無添加ベビーフードを世界中の親子に幸せを届けたい!」「北海道中の夢を持ちがんばる高校生が、集まる場をつくりたい!」などさまざまなプロジェクトが生まれている。「ほっとけないどう」で特にこだわった点は、「道内でチャレンジすること」を挑戦者だけでなく応援者にも自分事として考えてもらうことだった。そのため、挑戦者がイベントでプレゼンをして、応援者がドリンクを買って終わり…ではなく、プレゼン後にはグループで別れて挑戦者と応援者のブレストの場も設けている。

「その場では、こんな面白いアイデアができるんじゃないか、私はこんな人を知っているから紹介するよなど、活発な会話が繰り広げられています。そのようにして誰もが参加できる接点をつくることを意識しました」と五十嵐さんは話す。また...

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身近にある暮らし 地域活性化のクリエイティブ事例

首都圏一極集中によって、地域の少子高齢化、過疎化などが問題視されている。しかし現在、新型コロナウイルスの影響によって、地域間における人の流れが途絶えた。このような状況下になったことでリモートワーク化が進み、都市に住まなくとも、各地域での新しい働き方があるのではないかということも議論され始めている。そこで今回の特集では、各地域に根差した、身近な暮らしの中で関われるような地域活性化の事例、その仕組みについて取材をした。長崎県の五島列島、福井県福井市、北海道、静岡県、渋谷区、福岡県春日市など、クリエイティブやアイデアの力によって活性化を促進している裏側を解き明かしていく。