システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

空間がつくり出す 新しい「体験」型コンテンツ

なにげない日常のなかの「ちいさな観光地」をつくる

2019年、東京・渋谷のスクランブルスクエアの一角にオープンしたテイクアウト&カフェ「なんとかプレッソ2」。実はこのお店、1日の時間帯の中で、ショップの空間もブランドも販売する商品もガラリと変わる。そんなユニークなお店を企画したのが、「パンとエスプレッソと」のブランディングを手掛けてきたコピーライター 石井ツヨシさんだ。

渋谷スクランブルスクエア2階にオープンした「なんとかプレッソ2」。1日のうちに4つのブランドが展開される。ロゴと照明、壁面がそれぞれのブランドの色に変わる。布製のロゴは使っていない時、右側の壁面に丸めて置かれている。

1日のうちに4つのブランドに変わる店

「なんとかプレッソ2」を、企画、運営するのは「株式会社じそく1じかん」。石井ツヨシさんが友人の会計士である服部峻介さんとつくった会社だ。「なんとかプレッソ2」は自由が丘の「なんとかプレッソ」「パンとエスプレッソと自由形」に続いて、同社にとって3店舗目となる。そのコンセプトは、「時代より早く変化する」ことだ。「現代の時間の進みかたに対して「早いお店」=変わるお店と「遅いお店」=変わらないお店という2つの視点からアプローチしました」。

そのテイクアウトスペースでは現在、パンとパンツのお店「ぱんつくった」、肉を使わないホットドッグ「ニクヨーカー」、飲むスイーツ「へのへのこーひー」、明日の朝のパン専門店「パンも飛べるはず」という4つのブランドを展開。朝から夜までの時間の中で、ある時間になるとブランドのロゴを掲げた看板、カウンター後ろの壁や照明の色が変わる。そしてお店が変わって、それまでとは違う商品が店頭に並ぶ。

「お店の仕組みはあえてアナログに。壁に仕掛けられた引き戸を開けると、そこに仕込まれた7色のうち1色が見えるようになっています。また、看板はロゴの入った布を掛け替えるだけ。イメージしたのは舞台芸術における場面転換。店の什器を大きく動かしたりするのではなく、スイッチをオン、オフするくらいの簡単さで切り替えられます」。現在は4ブランドで展開しているが、将来7ブランドまで増やすことができる …

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

空間がつくり出す 新しい「体験」型コンテンツ

オリンピックに向けて、建設ラッシュと言われる昨今。東京を中心に新しい商業施設やホテルなどが次々と生まれている。デザインや機能はもちろんだが、近年、こうした空間で注目されているのが「体験」だ。それはエンターテインメント的な特別なものだけではなく、そこで得られる「体験」は企業ブランドなどの理念や思い、技術や新たな価値観など。それは時に目に見えないものであったり、かたちがないものかもしれないが、その空間を訪れることで確実に得られるものだ。本特集では、2019年に日本各地に誕生した商業施設やホテル、パブリックスペースなど8つの事例を取材。その空間がどのようなコンセプトを持って生まれ、訪れた人にどのような体験をもたらすのか、企画に携わった人たちに話を聞いた。