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データ活用で忘れてはいけない「エシックス(倫理)」の観点

公開日:2019年8月08日

  • 佐々木康晴(クリエイティブ・データ審査委員長、電通)

TV RAIN「AI VERSUS」ロシアの国有放送と民間放送の二局が流すニュースをAIに学習させた。その結果、一方がバイアスのかかった答えを出すように。正しい学習をしなければ、AIも正しい答えを出してくれないことを証明している。

クリエイティブ・カンパニー・ユーザー 3つの視点で審査

クリエイティブ・データ部門の審査基準として、僕は3つの視点を審査員に提示しました。1つめはクリエイティブ視点で、「Transformative Idea」。データで広告の効率を少し高めるとかではなく、業界や社会の仕組みを変革してしまうくらいの大胆なアイデアかどうか。

2つ目はカンパニー視点で、「Commercial and Emotional Value」。ユーザーから集めたデータを企業のマーケティングのためだけに使うのではなく、ユーザーの心を動かすような価値を提供しているか、ということ。3つめはユーザーの視点で、「Forward-thinking Ethics」。つまり倫理の問題で、皆が信頼できる正しいデータの使い方をしているかということを見ていきました。

グランプリは「GO BACK TO AFRICA」とボルボの「THE E.V.A INITIATIVE」で票が半々に割れて、最終的には審査委員長の僕の1票で決まりました。僕がグランプリ作品で注目したのはユーザー側の視点です。

最近のソーシャルメディアは偽の情報やヘイトメッセージが溢れ、だんだん嫌な場所になってきている。その現実を隠して見なかったことにするのではなくて「GO BACK TO AFRICA」というヘイトメッセージを逆手にとって、「魅力的なアフリカの旅に行こう」というキャンペーンに変えたのは、まさに今の時代に合っているし、ユーザー的な視点からも正しいデータの使い方を見せてくれた。この作品では...

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この記事が含まれる特集

時代の先を行く企業に学ぶ 世界のクリエイティブ

世界最大級の広告祭であるカンヌライオンズは、2018年に会期や部門などを大きく刷新。今年も新たに2部門が設けられるなど、広告界の動きに合わせて変化し続けている。エントリーされる作品は、いずれも大きな成果をあげたブランドキャンペーンや最先端の手法で制作されたクリエイティブなど。そこには、新たな切り口やアイデアを見ることができる。近年は社会課題が大きなトレンドになっているが、いまも変わらずカンヌライオンズは、広告界にとっての新しいケーススタディが溢れる場であることは間違いない。

その現場に行かずとも、受賞およびエントリー作品や審査員が何を語ったかを知ることは、これからの広告を考える上での大きなヒントになるはずだ。本特集では今年のカンヌライオンズの受賞作品を振り返るともに、参加者や審査員による作品・セミナーの分析と解説を紹介する。