東京の青山、根津美術館のそばに“自分発見サロン”を謳った「THE BOOK」が登場した。今までにないユニークな体験を提供するという。どんな発想から生まれたサロンなのか、取材に行った。
自分が本来持っている美しさに気づく
THE BOOK JAPANの社長を務める福岡英一さんは、以前からの知り合いだ。
LVMHフレグランスブランズの社長を辞して、美にまつわる新しいことを始めるという話を聞いていたので、どうなったのだろうとワクワクして訪れた。白い壁にグレイの扉が見えている入り口には、よく見ると、小さくロゴが刻まれているのだが、一見しただけではわからない。かと言って、敷居が高い設えでは決してなく、上質な秘密が漂っている。そんな予感が楽しめるファサードだ。
そもそも“自分発見サロン”とは何なのか。「内面と外見、双方から創られる本質的な美しさを追求・実現すること」と福岡さん。「人の個性とは、内面と外見の調和によって形作られ、すべての人が自分なりの美しさを持っている」という。この言葉には、深く頷かされた。“美魔女”に象徴されるように、若さを保つことだけが美しさでなく、さまざまな価値軸があっていいと思ってきたから。一方で、自分の“個性”や“美しさ”ってわかりづらいとも感じてきた。
「THE BOOK」の特徴は、専門的な心理カウンセリングや最先端のテクノロジーを取り入れながら、自分の美しさを発見し、開花させていくことにある。パリ大学で「美人とは何か」を追究し、歴史学の教授を務めたジョルジュ・ヴィガレロ氏を顧問に迎え、まずパリでKAODACHI研究所を立ち上げた。そこで研究・開発したことを「KAODACHIマネジメント」と名づけ、日本で体験してもらう場が「THEBOOK」だという。ネーミングの由来は …