あのCM の演出やキャスティングについてディレクターにインタビュー。今月は銀のさらの話題のCM「オーディション」篇について聞く。

フリとオチの設計から生まれる笑い

ここはダンスのオーディション会場。ステージの上では、明日のステージを夢見るダンサーたちがカッコよく踊っている。だが、スカウトマンが着目したのは、舞台袖にいた小太りの女性スタッフだった。踊ってみるよう促された彼女は、銀のレオタード姿になると、まさかのキレッキレのダンスを披露。感動したスカウトマンが「仕入れます！」と叫ぶと、喜びに満ちた表情と共にその肢体は銀色に変化し、やがて市場のマグロの姿に…。オーディションは実はマグロの競りの比喩だった、という衝撃的なオチに、「破壊力がある」「銀のさらのCMは裏切らない」などとネットの書き込みも相次いだ。

このCMのプランナーは電通の松村祐治さん、監督は和泉大介さんだ。松村さんのコンテをもとに、2人でブレストしながら演出コンテに落とし込んでいったという。「ダンサーとスカウトマンの …