11月の代官山T-SITE。多摩美術大学は、産学連携プロジェクトの一環としてGyro-centric Design(車輪のついたプロダクトで動力をもたないもの)をテーマに、世界最大の総合化学メーカーBASFジャパンの素材を活用したプロダクトデザインを発表した。ゼミ生が追求した樹脂材料、加工技術によるプロダクトデザインの可能性とは?

01 プロジェクトに参加した学生と田中秀樹教授(真ん中の列一番左)、BASF社員たち。
新しい感覚で樹脂の可能性を追求
BASFジャパンが主催する国際デザインコンペに多摩美術大学の学生が参加したことをきっかけに、2013年から共同授業を実施し、産学連携プロジェクトを推進している。このプロジェクトで同大学は、素材の特性を生かしたデザインの可能性を追求し、BASF社員へ英語でプレゼンする能力を身につけ、国際的に活躍するプロダクトデザイナーの育成を目指す。一方のBASFは高機能プラスチックやポリウレタンなど同社製素材に関するノウハウや環境を提供することで、未来のクリエイターに選ばれるメーカーとしての機会を創出している。
今回その集大成として、プロダクトデザイナーを目指す田中秀樹教授のゼミ生8人(大学2年生)がBASFの樹脂素材について学び、その特性を生かしたプロダクトを考案。Gyro-centric Designをテーマに、自転車やショッピングカート、幼児用ペダルカーなどを発表した。「一人のデザイナーとしてクライアントの要望に責任を持って応えるという一連の流れを経験できました。幼児用ペダルカーを提案するなかで ...