グラフィックデザイナーが企画・ディレクション 高尾山に誕生した異色の自然博物館

公開日:2015年12月01日

グラフィックデザイナーの大黒大悟さんが全面ディレクションした高尾山の新しいミュージアム「TAKAO 599 MUSEUM」がオープンした。高尾の自然の見せ方にこだわったことで生まれた、異色の自然博物館だ。

01 ミュージアム外観(上)と内部空間(下)。外壁をガラスにしたことで、外とつながっているようなオープンな空間に。中に並んだ標本箱は可動式で、災害時などには避難所として使える空間になる。

年間300万人と言われる入山者 しかし情報発信の場がなかった

高尾山は、髙尾山薬王院の「殺生禁断」思想によって古くから自然が守られてきた場所だ。都心から近く、599メートルと決して高くはないが、植物約1600種類、野鳥約100種類、昆虫約5000種類と、驚くほど豊かな自然が息づいている。昆虫は“日本三大生息地の1つ”と言われるほどだ。

だが、こうした高尾の魅力は十分に知られているとは言えない。ミシュランが三ツ星観光地に選んで以来高尾山への観光客は増え、今では世界一の入山者数を誇る。だが、山の魅力や情報を発信する施設が特にあるわけではなく、多くの人は下山するとすぐに帰ってしまう。

高尾山を擁する八王子市は …

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!