ベルリンのデザイナー2人が立ち上げた シューズブランドのスタートアップ

公開日:2015年8月12日

01 VELT A&W 2015 Collection
http://velt.ch

ベルリンとスイスを横断する
愛好家のための靴づくり

VELTは、ベルリンにアトリエを構えるStefan Rechsteiner とPatrick Rüeggが2012年に立ち上げたブランド。彼らはデザイナーであると共に作り手、そして何よりもまず靴愛好家だ。彼らが若いころはNike Air Max、Converse Chucks、 Adidas Originalsが好きだった。しかし年をとってみれば、あまりに退屈だったりエリートすぎたりと、好きになれる靴はどこにも見つけられなかった。

それで2人は、彼らが履きたい靴、靴愛好家のための靴を自分たちで作ることにした。ヨーロッパの最高級革、環境に配慮した材料調達、スイスの職人による手作り、というと高価な印象があるが、VELTの靴は安価な材料と人件費で作られる他のEUブランドの靴よりも安く、170~300ユーロ程度だ。彼らはVELTを希少価値で高級なエリートブランドとして位置づけるのではなく、自分たちのように靴を愛する人の元へ広く届く靴作りを目指したかったのだ。なぜ、それが可能だったのだろうか。

VELTの靴は、熟年の靴職人Antonio Zulloと4人の職人によるチューリヒの小さな工房で作られている。VELTと彼の工房は一緒に育ったと言っても過言ではない昔からの密な関係で、材料共同仕入れや各モデルごとの少量受注生産など、初期投資と在庫負担のリスクを工房との連携で回避することでスタートアップを上手く乗り切っている。

靴のデザインはデザイナーの頭の中だけでできるものではないとPatrickは語る。ベルリンでデザインや試作をしながらも頻繁に工房に通い …

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