2026年4月、創業141年目を迎える南海電気鉄道は鉄道事業を分社化し、親会社の商号を英字の「NANKAI」へと変更した。AI時代に機能的価値が均質化する中、同社はいかにして企業ブランドを再定義し、グループ全体で目指すべき「北極星」を定めたのか。同社 常務執行役員 CIOの中尾敏康氏に話を聞いた。
インフラ企業からの脱却 分社化とリブランディングの真意
「南海電鉄」の呼び名で関西の人々に親しまれ、難波をはじめとする大阪南部の発展を支えてきた南海電気鉄道。同社は2026年4月、祖業である鉄道事業を分社化し、NANKAIを事業持株会社とする新体制へと移行した。140年以上の歴史を持つ老舗企業が下した歴史的転換の背景には、沿線人口の減少やコロナ禍以降のライフスタイルの変化など、事業環境に対する危機感があった。
同社 常務執行役員の中尾敏康氏は「これからも地域に価値を提供していくためには、鉄道事業だけにスポットを当てた体制ではなく、不動産や新たな事業を含めた...

