[PR]マーケターは打率より打席数。ヒットはいつか打てる

公開日:2025年9月01日

PR

第一線のマーケター・クリエイターが明かす、キャリアアップの奥義。今回は、三井住友カードで執行役員 マーケティング本部 共同本部長を務める伊藤亮佑さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!

Q. IT 業界に就職したきっかけを教えてください。

大学では建築を学びました。企画から設計、施工までのすべてのプロセスに魅力を感じていたため、大学院に進学し、夢中で勉強しました。

しかし、いざ就職活動をしてみると、建築業界にある「分業化」という現実を突きつけられました。ひとつの建物に一気通貫で関わることができない。特に、建築を学ぶ学生なら誰もが憧れる企画や設計に関わる仕事は狭き門で、新卒ですぐにできるものではないこともわかりました。あれもこれも全部やりたかった僕には、物足りなかったのです。

代わりに興味を持ったのがIT業界でした。建築とプロセスが似ていると感じたからです。例えば、Webサイトをつくるとき、建築物と同じように企画から始まり、設計して、制作・実装します。Adobeソフトを使うところも共通していますね。

さらに建築よりも、アイデア段階からお客さまに届けるところまで、ひとりが関われる範囲が広い。むしろ、この仕事の方が自分に合っているのかもしれないと思うようになりました。

Q. 最初に入社した大手EC会社ではどんな仕事を?

200人ほどの同期のほとんどがEC部門の営業に配属されるなか、僕はポータルサイトのディレクターに任命されました。第2創業期だった当時、新たなコア事業の確立を目指す部門です。メディアやその広告を企画し、ビジネス化するチームに入り、入社1年目ながら、サービスの企画から運営まで任せてもらえる機会が度々ありました。希望通り、ひとりでなんでもできたのはラッキーだったなと思います。

しかし、上流から下流までひと通り経験して、自信がついてくると、もう少し社会的にインパクトがあって、より多くの人に使ってもらえるサービスに挑戦したくなりました。それで大手通信キャリアへの転職を決めました。

Q. 転職して、どんな学びがありましたか。

大手通信キャリアでは、マーケティング部門の所属になりました。

ユーザー向けWebサイトのサービスの企画や、公式SNSの運用、YouTube広告の出稿など、デジタルマーケティング領域の全般を任せてもらいましたね。

社長から表彰されたこともあります。Webサイトを改善するプロジェクトのリーダーを務めたときの取り組みです。Webサイトのデザインやインターフェース設計を変更したほか、コールセンターに電話がつながりやすくするなど、関連部署に協力を仰いで、Webサイト基点での顧客体験全体の改善に努めました。その結果、社内で実施している顧客満足度調査で、長年3位だったWebサイトが、1位へと大躍進できたのです。

会社には「わかりやすさ」を大切にする文化がありました。Webサイト改善プロジェクトが評価されたのもその表れ。上司に出す企画書や資料も、内容はもちろん、常にわかりやすい表現を求められます。全体の構成から、言葉の選び方、グラフのつくり方などの細部まで気を払っていました。マーケターとして「相手に伝わる」は基本のスキル。僕の場合、間違いなくここでの経験で身に付けることができたと思います。

Q. 勢いのある会社をなぜ辞めたのですか?

キャッシュレス決済が世の中に浸透し始め、在籍していた大手通信キャリアでも金融事業を強化する動きがありました。僕もデジタルの企画担当としてアサインされたのです。

でも、金融のことは全然わからない。ビジネスの核心を知らずに良い企画はつくれないと思いました。その中で、フィンテックに将来性を感じ、「やるなら金融が本業の会社でやりたい」と思い、三井住友銀行への転職を決意しました。

入社から2年後、三井住友カードのデジタルマーケティングも兼務するように。順調に仕事が広がっていったように見えますが、実は、当初は困惑することばかりでした。

金融業界は、IT企業とは企業文化が全然違います。新しい取り組みは、慎重な判断を何層も重ねて、ようやく採否が決まる。本業界だからこそ、特に必要なプロセスではあるのですが、やりづらいと思うことが何度もありました。

転機となったのは金融サービス「Olive(オリーブ)」を構想段階から手掛けたことです。新プロダクト立ち上げを目指し、社長を含めた数名で何度もディスカッションをして、僕が企画書の最初の1枚を書いた。それがいまや、600万人が利用するサービスに成長しました。やり続ければ少しずつ成果が出て、その分、企画が通りやすくなり、予算をつけてもらえる。そしていつか大ヒットを打てるのだなと。腐らずにやってきてよかったと思います。

若い社員によく言うのですが、仕事では、とにかく打席に立つことが大事です。ビジネスでは野球と違って打席はいくらでもありますから、打率は気にせず、一から十まで、何でも手を挙げてほしいと思います。失敗しても次のチャンスがある。最高じゃないですか?(笑)

三井住友カード株式会社
執行役員
マーケティング本部 共同本部長
伊藤亮佑 氏

大学院で建築を学んだのち、大手EC会社に入社。ポータルサイトのディレクターを務める。4年後に大手通信キャリアに転職し、マーケティングコミュニケーション本部でユーザー向けWebサイトのサービス企画に従事。2016年、三井住友銀行入社、リテールIT 戦略部配属。2018年より三井住友カードを兼務。2024年マーケティング本部本部長補佐に就任。2025年4月より現職。

聞き手
株式会社マスメディアン
取締役
国家資格キャリアコンサルタント
荒川直哉

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名以上の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

    お問い合わせ

    株式会社マスメディアン

    〒107-0062 東京都港区南青山3-11-13 新青山東急ビル9階
    E-mail:webmaster@massmedian.co.jp
    URL:https://www.massmedian.co.jp/

この記事をシェア