新審査員長就任記念のインタビューシリーズも今号が最終回です。今回は、TCC最高新人賞などの受賞歴を持ち、今年新たに一次審査員を務めるCHERRYの原田堅介氏を迎え、型を打ち破る独自の思考法や、言葉にリアリティを宿す技術について話を聞きました。
日常で発する言葉の中に“大発見”が隠れている
―応募作の質を高めるうえで、他の応募者の方と被らない独自の切り口を見つけるための思考ステップについて伺いたいです。
一倉:独自の切り口、というのは誰も使ったことのない新しい言葉を探す、こととは違うでしょう。実際、“名コピー ”と呼ばれるものの多くは、誰もが知っている平易な言葉で構成されているはずです。言葉そのものには、人々が昔から使い重ねてきた共通の「型」がある。だからこそ、その型をどんな視点から捉え直すかということに、独自の着眼点が生まれます。
固定観念から自由になり、いかにして「言われてみればそうだ」という本質的な発見ができるか。自由になることはとても難しくて不安な作業ですが、そこにこそ表現の面白さがあると考えます。
原田:僕自身は新しいことをパッとひらめくタイプではないので、まずは誰でも思いつくような定番のアイデアも含めて、愚直にとにかく数を考えるようにしています。その...

