異常気象が標準化される現代は暦に囚われない柔軟なMD計画がカギ

公開日:2025年8月06日

  • 河野智子氏(クレオ)

30℃以上の真夏日を記録する日が前後に延び、春と秋の期間が極端に短くなったように思われる昨今の日本の気候。この気象環境の変化により、暦上と気候上の四季に齟齬が生じている。本稿では、気候変動の過去と現在を概観し、四季の区分変化と生活者の生活行動とを照らし合わせながら、MD計画における今後の影響について、クレオマーケティング開発部生活者研究課上席研究員の河野智子氏が考察する。

夏が延び1日の寒暖差も拡大…データから見る過去との比較

まず、季節の変わり目である春季(3~5月)と秋季(9~11月)の気温データを、直近3カ年の2022~2024年平均と40年前の1982~1984年平均とで比較しました【図表1】

図表1 春季・秋季の最高・最低気温の差分推移(東京都,日次,℃)

出典/気象庁「過去の気象データ」をもとにクレオ作成。

春季を見ると、40年前の最高気温は3月中10~15℃未満で推移し、4月中旬までは15~20℃未満でした。4月下旬に20℃を超え始め、5月に入ると夏日が数回現れるものの、おおむね20~25℃未満で推移しています。

一方、直近3カ年では3月中の20日以...

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