情報があふれる現代、企業からの発信だけでは生活者の心を動かすのは難しい。味の素社は、コミュニケーション戦略をマス型からPESOモデルへと革新し、インフルエンサーマーケティングを強化している。単なる案件の発注ではなく、世界観を共鳴し合える「クリエイター」との関係構築を重視する同社の取り組みについて、コミュニケーション戦略グループの澁谷絵理香氏に聞いた。
一方的な情報発信からの脱却 体験を通じた熱量の伝播へ
誰もが情報を自由に発信できる現代において、生活者の興味や価値観は細分化し、企業側からの一方的なメッセージは届きにくくなっている。このような社会背景に対応するため、味の素社は2023年4月、食品事業本部内に「マーケティングデザインセンター」を新設。広告や戦略PRを統合した新組織のもと、従来のマス広告中心から「PESOモデル」へとコミュニケーション戦略を刷新した。有料広告(ペイド)や自社メディア(オウンド)に加え、第三者媒体(アーンド)やSNS上の拡散(シェアード)を有機的に組み合わせ、「共感されてどう語られるか」を重視する体制へとシフトさせたのである。なかでもシェアードメディアにおけるクリエイターとの協働は、この新戦略の中核を担っている...


