「使う」も「仕事を振る」も禁句 味の素社が築くクリエイターとの信頼関係

公開日:2026年8月31日

  • 澁谷絵理香氏(味の素)

情報があふれる現代、企業からの発信だけでは生活者の心を動かすのは難しい。味の素社は、コミュニケーション戦略をマス型からPESOモデルへと革新し、インフルエンサーマーケティングを強化している。単なる案件の発注ではなく、世界観を共鳴し合える「クリエイター」との関係構築を重視する同社の取り組みについて、コミュニケーション戦略グループの澁谷絵理香氏に聞いた。

一方的な情報発信からの脱却 体験を通じた熱量の伝播へ

誰もが情報を自由に発信できる現代において、生活者の興味や価値観は細分化し、企業側からの一方的なメッセージは届きにくくなっている。このような社会背景に対応するため、味の素社は2023年4月、食品事業本部内に「マーケティングデザインセンター」を新設。広告や戦略PRを統合した新組織のもと、従来のマス広告中心から「PESOモデル」へとコミュニケーション戦略を刷新した。有料広告(ペイド)や自社メディア(オウンド)に加え、第三者媒体(アーンド)やSNS上の拡散(シェアード)を有機的に組み合わせ、「共感されてどう語られるか」を重視する体制へとシフトさせたのである。なかでもシェアードメディアにおけるクリエイターとの協働は、この新戦略の中核を担っている...

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インフルエンサーマーケティング 生活者とつながる共感の設計

インフルエンサーマーケティングは、もはや定着したコミュニケーション手段となりました。しかし、生成AIの普及や情報の氾濫に伴い、単なる拡散(リーチ)ではなく、発信者自身の体験や価値観に根ざしたオーセンティック(真正性)なコミュニケーションと、それを通じた強固な信頼関係の構築が求められるようになっています。本特集では、「人がメディアになる時代」におけるインフルエンサーマーケティングを、単なるSNS施策を超えた「ブランドと生活者の信頼・共感を紡ぐ戦略」として再考。最新の信頼意識調査や消費者行動の分析に加え、アーティストとの対等な商品共創、社員インフルエンサーの組織的活用、コミュニティ醸成、バーチャルヒューマンによる一貫した世界観の構築など、最前線の事例をひも解きます。

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