「あの状態」ってどんな状態?15名が振り返る最終審査会

公開日:2026年4月09日

2月18日、贈賞式の直前に行われた最終審査会では、約2時間にわたって投票と議論が重ねられました。本年度の二次審査から最終審査までを一貫して担当した、15名の審査員による講評をお届けします。

審査員長
トマト
仲畑貴志

審査は、ファイナリストの中から、審査委員それぞれ3点投票し、上位12点ほどに絞ります。次に、2点投票して4つに絞り、最後は1点投票で、得点差を確認して、まずグランプリを選出しました。例年、僅差のため何度も何度も再投票することが多いのですが、今年は、各賞、比較的スムースに決定しました。賞狙いの傾向と対策は、どの参加者もされるでしょうが、受賞作を見て、それを傾向ととらえるとグランプリはとれない。傾向作をこさえることは独自性を失うことにもなるからです。これだけ多くの参加作が来ると、よく似たネタ、よく似た切り口、よく似た言い回しが集まり、不利になります。あなた自身のモノの見方考え方を活かした、個性ある表現力を発揮してください。

電通
石田文子

最終審査に残っていたコピーは、上手いなぁというだけじゃなく、好きだなぁと思えるものが多くてとても楽しく審査させていただきました。「SNSでこれが出てきたらバズりそう」というコピーから「これをキャンペーンの中心に展開していくと面白くなりそう」と思えるコピー、トメのコピーが秀逸だなぁというCMまで。見た瞬間に絵が浮かぶ、想像を掻き立てられる、自分がCDだったらこの言葉や企画を一緒に世の中に出したくなる、そんなワクワクをくれるものを選びました。中でもグランプリのコピーは「あ、これが一番好き!」と素直に票を投じたものでした。宣伝会議賞の傾向と対策を研究したコピーじゃなく、いっぱい書いた中でふと楽しく書けたもの。そんなコピーが多かった印象です。受賞した皆さま、本当におめでとうございます!

電通
磯島拓矢

「あの状態からよく立て直せたな。」。一人の審査委員が「本当に立て直したい時はカレー粉だと思うんですよ!」とコメントし笑いが起きました。僕もつい「うちはポン酢ですけどね…」とつけ加えました。そして最後は「マヨネーズこそ最強だよな!」という発言も飛び出し、審査会は大いに盛り上がりました。僕はこの時「グランプリはこれだな」と確信しました。ずいぶん前から「大いなる名言」よりも「みんなで遊べる言葉」が広告コピーの主役になっていますが、このヤマサ醤油のコピーは「みんなの発言を引き出す言葉」でした。つい参加したくなる言葉でした。人を説き伏せるのではなく、人を巻き込んでゆく言葉。コピーと商品を中心に、ゆるやかなコミュニティをつくってゆく言葉。実に今どきな、新しい名コピーだと思いました。

一倉広告制作所
一倉宏

本賞応募者のみなさんの熱い想いに、審査する者たちも真剣に応えようとしています。しかしその基準や視角はそれぞれです。私は今回「広告として実際に通用する」ことを基準に、その上での評価をしました。それこそが真剣勝負と考えるからです。グランプリは、コピー界で最もレッド...

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