プロダクトのマーケティングにおいては、機能訴求にとどまらない情緒的価値の訴求が欠かせません。そんな情緒的なアプローチのひとつに、プロダクトブランドの「人格」を感じさせるようなコミュニケーションがあります。ブランドを擬人化するような発想と、それを体現する広告タレント起用のあり方について、Mizkanの栗原祐己氏、クラシエの牧戸和至氏が対談しました。
ファンから感謝されるタレント起用の効果
――タレントを起用したコミュニケーションを行っているブランドについて教えてください。
牧戸:クラシエのヘアケアブランド「いち髪」は、2026年9月に20周年を迎えます。ブランド名の由来は、日本女性の身だしなみの心得として語り継がれてきた言葉「一髪、二姿」。身なりを飾るより、髪のことを第一に、という思いを込めています。平安時代の宮中女性が、米のとぎ汁(ユスル)を髪の手入れに使っていたことからヒントを得て開発した成分などを配合しました。ブランドのコンセプトは絹のような手触りを実現することです。内面的な美しさを求める20代女性をコアターゲットとしています。
コミュニケーションでは、20年にわたり「和」や「黒髪」をイメージさせるタレントを起用したCMを放映してきました。2026年春にはブランドリニューアルを行い、ここでCMも刷新しています。
栗原:発酵性食物繊維に着目した、Mizkanのブランド「Fibee(ファイビー)」は、2024年に誕生しました。ワッフルやカレーなど日常の食事に取り入れやすい商品を展開しています。健康不安を感じるものの、時間や所得に余裕がなく健康管理を実践できていない方々に向け、普段の食事として美味しく楽しみながら健康をサポートする選択肢を、そんな思いから立ち上げました。
私は「Fibee」のブランドコンセプト設計から販売・コミュニケーション戦略まで担当してきました。販路は...

