生成AIの台頭により、業務の効率化が実現すると共に、メディアの在り方や、企業と人の接点のつくり方をも変えるような大きなインパクトが予測されます。マーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に活かしていけばよいのでしょうか。29回となる今回は、レコメンドアルゴリズムによって特定の意見しか目に入りにくくなる問題について、富士通の山根宏彰氏が解説します。
総裁選を揺るがした2つの「演出」
2025年10月21日、高市早苗氏が第104代内閣総理大臣に就任した。各社世論調査では内閣支持率が日経74%、共同64%、読売71%と軒並み高水準を記録し、発足時としては近年稀に見る好スタートを切った。
だが、この華々しい数字の裏側で、実は静かに進行していた「見えない設計」がある。それは、マーケターにとって決して他人事ではない。高市氏が総裁に選出されたのは10月4日。決選投票で小泉進次郎氏を破っての勝利だった。しかし、この総裁選の過程で2つの重大な「演出」問題が発覚している。
1つは小泉陣営による「ステマ問題」だ。報道によれば、小泉陣営の広報班長を務めた牧島かれん元デジタル相の事務所が、ニコニコ動画に小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう、24パターンものテンプレートを配布していた。中には高市氏を念頭に置いた中傷とも取れる文言まで含まれていたという。後に選挙プランナー会社がテンプレート作成を認める声明を出し、牧島氏は広報班長を辞任した。
もう1つは高市氏をめぐる「ホットマイク問題」だ。10月7日...

