“16歳未満SNS禁止”が示す未来 マーケターが知るべき「デフォルト設計」

公開日:2026年1月15日

  • 山根宏彰氏(富士通)

生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と生活者の接点のつくりかたをも変えるような大きなインパクトが予測されます。マーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に生かしていけばよいのでしょうか。30回目は、「デフォルト設計」が行動と情報摂取をどう左右するのかに焦点を当て、その“設計の力”を社会・ビジネスの観点からひも解きます。

デフォルト設計が生む「行動の初期条件」

第29回では、「レコメンド社会」がもたらす意思決定の偏りと、「自己洗脳ループ」の危険性を論じた。この危険性を回避するために、設計者は具体的に何を変えればいいのか。透明性、多様性、監査可能性――どれも大事だが、それだけではユーザーの無意識下に浸透した「自己洗脳ループ」の根っこには届かない。本当に効いてくるのは、もっと地味で、しかし強力なポイントだ。

それが、「デフォルトで、何を・どのくらい・どんな条件で見せるか」という仕組みの設計だ。ここに踏み込んでいる企業や政府は、すでに少数ながら存在する。彼らは短期的な利益やユーザーの自由度をあえて削りながら、デフォルト設計を「社会的にまだマシな方向」へ振っている。その選択がどれだけ難しく、どれだけ効くのか、具体例から見ていく。

16歳未満SNS禁止という「国レベルのデフォルト設計」

まずは、企業ではなく国がデフォルト設計を決めてしまった例からだ。オーストラリアでは、2024年にOnline Safety Amendment(Social Media Minimum Age)Act 2024が...

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