日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)は2025年の発足50周年を機に、従来の「市場調査」の枠組みを拡張し、「インサイト産業」への変革を掲げた新たなマーケティング・リサーチ産業VISIONを策定した。インターネットの普及、ビッグデータの爆発、そしてAIの台頭―。変化する環境下で、リサーチ業界はどこへ向かい、どのような価値を提供していくべきなのか。日本マーケティング・リサーチ協会会長の五十嵐幹氏に話を聞いた。
日本マーケティング・リサーチ協会
会長
五十嵐 幹氏
1973年東京都生まれ、慶應義塾大学経済学部卒。日本アジア投資を経て、2003年にクロス・マーケティングを設立、同社代表取締役社長就任。2023年5月よりJMRA会長に就任。
インターネットからAIまで産業の変遷と手法の限界
―JMRAは50周年を機に新しい産業ビジョンを発表。なぜこのタイミングで「インサイト産業」への転換を掲げたのでしょうか。
今回、掲げたビジョンは、世界的に進むリサーチ産業の「インサイト産業化」への流れを踏まえ、改めて日本のマーケティング・リサーチ業界の立ち位置を定義し直すことを目的に設定しています。
50年を振り返れば、これまでのリサーチ業界は、“リサーチ(調査)”という言葉に象徴されるように、消費者理解のための“手法”そのものが提供価値の中心でした。市場調査や商品開発・既存商品のブラッシュアップ、広告の効果測定といった課題に...
