本稿では、事業拡大に伴いパーパスを定義し、その実践に取り組む、味の素の筧雅博氏と第一生命ホールディングスの坂本香織氏による対談をダイジェストで振り返る。モデレーターにパーパス・ブランディングの専門家エスエムオー(SMO)の齊藤三希子氏を迎え、パーパスの策定から浸透、実践へと進む過程や組織の変化について語り合った。
パーパスへの共感、実践を促す仕組みをいかにつくるか
味の素は「食」、第一生命ホールディングスは「保険」と、コア事業を展開してきた歴史のある2社だが、現在その事業構造は大きく変化している。
味の素グループは、食品事業と共にバイオ&ファインケミカル事業を成長させ、2030年までに2つの事業の利益構成を1対1に近づける計画だ。2023年には理念体系を刷新。パーパスを従来の「アミノ酸のはたらきで食と健康の課題解決」から「アミノサイエンスで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」へと進化させた。同グループ流のCSVを「ASV」と呼び、事業を通じ社会課題に取り組みながら経済的価値も創造するという考えのもと、パーパス実現を目指す。
第一生命ホールディングスは、2030年までに海外事業比率を5割まで高めグローバルトップティアに伍する保険グループになる目標を掲げる。福利厚生サービス企業をグループ化するなど、非保険領域への事業展開も進む。2024年には、パーパス「共に歩み、未来をひらく 多様な幸せと希望に満ちた世界へ」を策定。
