楽天が提供するAIソリューション「未来購買予測」は、同社が蓄積する膨大なデータとAIを掛け合わせ、ユーザーが商品を検索する前の「潜在層」の段階で、未来の購買行動を予測し、効果的な広告配信を実現する。どのようなデータを蓄積し、購買者を予測しているのか。
多様なサービスのファクトデータでターゲティングを支援する楽天
楽天グループによる広告ソリューションというと「楽天市場」の広告が想起されがちだが、それ以外にも広告事業では「データとAIの掛け算」に強みがあると広告営業部 シニアマネージャーの林雄之氏は話す。同社が蓄積するデータは、「楽天市場」「楽天トラベル」など多様なサービスに基づいており、ECの国内流通総額は年間6兆円規模※1。楽天会員数も1億を超える※2。
※1 2024年度(2024年1月~12月期)
※2 2025年9月末時点。会員の同意を得たデータを活用し各種分析を行っている
例えば、楽天グループのサービスデータや推測情報から年収を推定するなど、ファクトに基づいた高精度なターゲティングを実現している。加えてオフラインでは、ID-POSを扱うTrue Data社と連携し、「楽天ID」と掛け合わせ、広告配信後のオフライン店舗での購買貢献度を可視化するソリューションも提供している。
購買確度の高いユーザーを特定してアプローチする
そして現在、注力しているのがAIの活用だ。2024年11月にローンチした「未来購買予測」は、AIを活用して購買者の行動パターンを分析し、近い将来、特定の商品やサービスを購買・利用するであろうユーザーを高精度で予測するソリューションだ。
「1億超の楽天IDの中で、潜在層から顕在層へと移行が期待できるユーザーを特定する。そうイメージしていただくと分かりやすいと思います」と同部マネージャーの前田恭典氏。
具体的には、過去の購買行動パターンをAIに学習させ、ユーザーにスコアリングをすることで、潜在層に効率的にアプローチする仕組みだ。
ニーズが顕在化していない層に先回りしてリーチできる
「未来購買予測」を活用するメリットについて、前田氏は、①膨大な潜在層の中から優先順位をつけて広告を配信することで無駄なリーチを削減②これまで取りこぼしていた可能性のあるコンバージョンを獲得③ニーズが顕在化していないユーザーに先回りしてリーチができ、競合他社よりも先にアプローチが可能、の3点を挙げた。
「例えば、住宅購入の顕在層を精緻に予測するため、過去のデータをさかのぼり、何年前からベビー用品などの特定商品を購入する傾向があるのか、といった共通因子をAIで分析しています」と林氏。
「未来購買予測」の導入後、通常使用しているセグメントと比較してCPA(顧客獲得単価)が68%改善した例も報告されている。
これから購入しそうな「検索前」のユーザーに焦点を当てた施策が、コンバージョンの最大化につながっていきそうだ。
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広告営業部 シニアマネージャー
林雄之氏
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