NECグループの社会価値創造をICTで担うNECソリューションイノベータは、特定の事業領域において2023年度から本格的にABM(アカウントベースドマーケティング)に着手し、ターゲット企業のリード獲得効率を2.6倍に向上させた。同社の取り組みから、エンタープライズ企業におけるABM成功のポイントを探る。
「不特定多数のリード」ではなく「特定企業に集中アプローチ」へ
NECソリューションイノベータでは2023年度からABMに注力し始めている。その背景には、明確な営業戦略の転換があったという。同社・営業部門GTM戦略グループの小川圭介氏は「高収益高成長事業へのシフト」「特に価値ある顧客への集中」「営業戦略の運営高度化」の3本柱で戦略を再構築したと説明する。
多岐にわたる事業を展開する同社では、マーケティングの目的は多くのリードを獲得することに終始していた。しかし、この戦略だと、同社のSI・サービス提供で大きな成果が期待できる顧客(高価値アカウント)をターゲットとして獲得することが難しく、営業チームのリソースが分散する事態に陥っていたという。
この課題を解決するため、同社はまず多岐にわたる事業の中から、よりマーケティングに注力する事業を絞り込み、4分の1程度とした。「選択と集中で高利益を上げる」という明確な方針のもと、不特定多数への大量リード獲得...