第一線のマーケター・クリエイターが明かす、キャリアアップの奥義。今回は、NTTドコモでコンシューマーサービスカンパニーマーケティングイノベーション部リテールDX推進室担当部長を務める冨永悠太さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
Q.どのような学生生活を送りましたか?
高校生の頃の夢は教師でした。所属していた中高一貫校の剣道部では、中学生の剣道指導を高校生が担う場面もあり、興味のあった「政治経済」を軸に、社会科(公民)の教員で剣道部の顧問になりたいと考えていました。早稲田大学を志望していましたが、結果は不合格。合格した大学の中で、学校と剣道部の雰囲気を判断軸に学習院大学への進学を決めました。
学習院大学法学部政治学科ではその年に、学部入学後5年間で修士号の取得が可能な選抜制の「FTコース」が新設されました。卒業要件は厳しかったものの、「受験で納得のいく結果を出せなかった分、進学した大学で精いっぱいやってやろう」と思い挑戦しました。「FTコース」の一環で新聞社でのインターンに参加した際に、メディアの事業に興味を持ち、「1対多」で世の中に大きな影響をもたらせる仕事に就きたいと思うようになりました。
Q.そのモチベーションで電通に入社したのですね。
電通に入社して最初の配属は新聞局地方部でした。広告枠の販売や原稿審査が主な仕事です。私もバリバリ働いていたのですが、自分自身の甘さもあり心身の不調で倒れてしまいました。数カ月後に復職できたものの、管理者としては同じ仕事をさせるわけにはいかなかったのか、同じ新聞局の計画推進部へ異動となりました。
大学受験の挫折は、「花形の広告業界、それも最大手の電通に入った」という成功体験で突破したはずなのに、社会人1年目でポキッと折れてしまった。当時はそんな自分を、正直不甲斐なく思っていました。しかし、計画推進部の業務が自分に馴染んでいたこともあって、その後は心が折れるようなことはありませんでした。計画推進部は新聞局の数字の予実管理のほか、クライアント向けのメディアプランの策定、広告出稿後の検証レポートづくりなど、マーケティングに関わる仕事が多くありました。
Q.活躍が認められ、営業への異動が決まったのですね。
営業局は、今ではビジネスプロデュース局に改組されましたが、当時は従来型のマス広告ビジネスの最前線。私は異動当初からNTTグループを担当していました。転機が訪れたのは2016年。部署内に新設された、「dポイント加盟店開拓」の特命チームに招集されたのです。
2015年12月に発表された共通ポイントサービス「dポイント」の加盟店拡大が目的で、上層部からは、「広告代理業という型にはまらず、顧客の事業グロース(成長)に伴走してほしい」という号令が出ました。特命チームは、まさにビジネスプロデューサーの先駆けだったと思われます。
そこからの4年間はNTTドコモ(以下、ドコモ)に常駐して加盟店開拓に奔走する日々。営業先となる各社の顧客戦略を分析し、ポイントシステムを導入することで顧客体験がどう変わるかをご理解いただくのが仕事でした。全国から集まった店舗責任者の前でプレゼンをした結果、ある大手小売事業者からの受注につながったこともあります。同社の数百人のマネージャー層を目の前にしたときには圧倒されましたが、経営の中核に踏み込み、顧客の事業に伴走している感覚がもたらした達成感を今でも明確に覚えています。
Q.電通からの転職を決めた理由を教えてください。
東京オリンピック関連業務のため、2020年にドコモから電通に帰還することになりました。その時に担った、広告を確実に手配する仕事は、社会的意義も大きいとは思うものの、ドコモに伴走した4年間のプロジェクト伴走型で経済圏を成長させていく仕事のほうが、私には合っていたという思いを抱くようになりました。そんな折、アクセンチュアとのご縁があり、転職を決断しました。
アクセンチュアでコンサルタントとしてさまざまな事業・業界に関わるうちに、成功と挫折の両方を経験しました。特に成功を通じて、「流通小売業界・顧客体験・経済圏拡張」に携わりたいと自分のやりたいことが明確になりました。
電通時代の先輩方からのご縁をいただいたこともあり、ドコモへ転職する決断をしました。データ・アライアンスを通じて流通・小売企業のデジタルマーケティングを支援する、現在の仕事にたどり着きました。過去のキャリアを振り返ってみると、失敗や挫折があっても、とにかく動いてみれば、自分の価値を発揮できる場所、夢中になれる分野といった「正解」に近づけるのだと思います。
私が今ドコモにいるのも、動いた結果、たどり着いた「正解」。今後やりたいことは、「ドコモならではのデータ・アライアンスを推進し、関係者の事業拡大に貢献する」というマーケティングソリューション戦略を、チームのメンバーに啓発すること。対話や議論を重ねることで、メンバーの主体的なアクションにつながるように、これからも動き続けます。
株式会社NTTドコモ
コンシューマーサービスカンパニーマーケティング
イノベーション部リテールDX推進室担当部長
冨永悠太 氏
2009年、学習院大学大学院を修了後、電通に入社。新聞局地方部、新聞局計画推進部を経て、営業局に所属。営業局在籍時には業務委託社員としてNTTドコモに4年間常駐し、「dポイント」事業グロースに伴走する。2021年よりアクセンチュア マネージャーとして多様な業界のプロジェクトを担当。2022年9月よりNTTドコモ。マーケティングイノベーション部プロデュース推進担当部長を経て現職。
聞き手
株式会社マスメディアン
取締役
国家資格キャリアコンサルタント
荒川直哉
マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名以上の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT 企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。
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