企業とクリエイターが共創 「コンテンツ」で心を動かすブランド体験

公開日:2025年12月26日

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    これまでと同じ広告出稿量で、配信の最適化もしているのに、生活者の心を動かせないのはなぜなのか。広告のエンタメ化に取り組むキリンホールディングスの槇谷悠紀氏と、スマホ発のエンタメを提供するデジタルIPスタジオのQREATION・米永圭佑氏が、心を動かすコンテンツについて語った。

    広告費への違和感から生まれたブランデッドコンテンツ施策

    テレビCMには多額の費用がかかるが、純広告だけで顧客に届いているのか。他にも面白い施策ができるのでは……。こうした課題意識からキリンホールディングスの槇谷悠紀氏は、従来の広告の枠を超えたコンテンツ制作にも取り組むようになったという。

    日本テレビ系のバラエティ『有吉の壁』とのコラボでは、番組で生まれたキャラクターを活用しブランデッドコンテンツを開発。お笑いファンがキリンブランドのファンになる好循環が生まれた。「企業が一方的に発信する広告より、プロが介在したコンテンツのほうが、人の心と行動を促す力があると実感しました」と槇谷氏は振り返る。そんな『有吉の壁』でビジネスプロデューサーを務めていた米永圭佑氏は、その後QREATIONを創業。スマホ発のエンタメを生み出し続けてきた。同氏は「企画・プロデュースだけでなく、視聴者に届け話題化すること、そして企業とエンタメをつなげる共創を大事にしています」と語った。

    リーチ効率が良くても「届かない」 縦型ショート動画の視聴体験

    広告投資がデジタルへとシフトしたことで、PDCAを回しやすくなったものの、いまだマーケターには多くの課題がある。そのひとつが「広告運用を最適化しリーチ効率を上げても、ブランドリフトや売上につながるとは限らないこと」と槇谷氏は指摘する。これに対し米永氏は、「縦型ショート動画は、おすすめで流れてくるものを視聴することが多く、興味のないコンテンツはスワイプされています。画面上に一瞬表示され、データ上はリーチしていても、視聴者目線で面白くないコンテンツは届いていないのです」と解説する。企業も出稿量だけに頼らず、見たくなる「コンテンツの質」で勝負することが求められている。

    UGCからPGCへ プロによるコンテンツの可能性

    こうした潮流の中で、注目を集めているのが、プロがSNSコンテンツを制作する「PGC(Professional Generated Content)」。ブランドの世界観を保ちつつ、質の高いコンテンツを安定的に生み出せるのが特徴だ。例えば、QREATION がKDDIと制作した『本日も絶体絶命。』は月間で2億回再生。「新たなマスコミュニケーションの手段にもなる」と米永氏は期待を寄せる。

    そして、面白いコンテンツを「ブランドの記憶」につなげていくには、人々の感情が動く瞬間に、ブランドが自然に寄り添うことがカギとなる。「マーケターとクリエイターが直接、対話すること。すべてはそこから始まる」と槇谷氏。共創する姿勢こそが、「広告が届きにくい時代」の突破口となりそうだ。

    キリンホールディングス
    マーケティング戦略部 主務
    槇谷悠紀氏

    QREATION
    代表取締役社長
    米永圭佑氏

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