物価高が長期化する中、生活者の消費行動は「安さ」の重視だけでなく、自身の心を豊かにする体験へとシフトし始めている。消費税減税が選挙の争点となるような閉塞感のある世相において、企業はどのように生活者の欲望を捉え、選ばれる存在となるべきか。電通のプロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」の立木学之氏に、現代消費を突き動かす「欲望」の正体と、その先にあるマーケティングのあり方について聞いた。
消費者の「欲しい気持ち」に寄り添うことが鍵になる
―物価高騰が社会課題となり、生活者の防衛意識が高まっています。キャンペーンの「お得感」の定義は変わりましたか。
物価高騰の中で内容量を減らすなどして価格を維持しようとして、結果的にはステルス値上げという見方もされてしまうなど、企業に対する消費者の目線はかつてないほど厳しくなっています。そんな中で「お得感」を伝えるには、これまで以上に明快なメッセージが必要です。例えば「Buy 2 Get 1 Free」のようにメリットを具体的に可視化すること。また、抽選のような不確実なものではなく、全員が確実に恩恵を受けられる体験が重要視されています。
これからの販促は、価格訴求...

