どこかに不安を抱えていないと逆に不安。だから挑戦する

公開日:2026年2月27日

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第一線のマーケター・クリエイターが明かす、キャリアアップの奥義。今回は、バックオフィス向けSaaSなどを提供するフリーでExecutive Creative Directorを務める沖之城典生さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!

Q.なぜ広告の道へ進んだのですか?

大学では法学部で国際法を学び、国際関係の仕事を志していました。ところが、アメリカに短期留学をした際に受けた「クリエイティブライティング」という授業が、僕の進路を大きく変えることに。当時はシリコンバレーが世界を沸かせていた時代。授業で紹介されたアップルの広告、「Think different」にとても心が高揚したのを覚えています。それから「言葉で世界を動かす仕事」に惹かれていきました。

帰国後すぐに宣伝会議のコピーライター養成講座に通いました。講義は刺激的で、同じ志を持つ仲間もできた。「この道を進もう」と、自分の中でスイッチが入りましたね。

とはいえ、新卒でコピーライターになれる人はごくわずか。大手の広告会社から中小規模の制作会社まで応募して、唯一コピーライターとして内定を出してくれたコモンズに2003年に入社を決めました。

最初はグラフィックやページものの仕事が中心でした。イメージしていた華やかなコピーライター像とは違って、とても泥臭い仕事。それでも、自分の言葉が少しずつ世の中に出ていくのは嬉しかったです。

Q.外資へ転身した背景を教えてください。

25歳のとき、もっと大きな案件に関わるため、日本経済広告社に転職。約5年間の在籍中は、ひたすらテレビCMをつくり、毎年「ヤングカンヌ」に挑戦しました。もともと帰国子女だったこともあり、世界中の若手がアイデアを競い合う状況にアドレナリンが出たのと、海外のコンセプチュアルな広告表現への思いも強く、結果的に外資系広告会社であるビーコンコミュニケーションズに移るきっかけになりました。

外資にはCMプランナーという職種がなく、コピーライターとアートディレクターが膝を突き合わせてアイデアを磨く。そのスタイルがとても好きでした。すぐにP&Gやマクドナルドなどのグローバルブランドを担当するようになり、商品の開発段階からブランドシェアを拡大する方法を議論したり、ユーザーインタビューや行動調査に同行したり、すべてが新鮮でした。おそらく外資before/afterで考え方や仕事のアプローチは別人になりましたし、気恥ずかしいですが、「プロ」になった感覚を初めて持てました。

Q.事業会社へ進む決断をした裏側にはどんな思いが?

ジェイ・ウォルター・トンプソン(現・VML)でクリエイティブディレクターをしていたとき、時間をかけて準備したプロジェクトがコロナによってストップ。モチベーションを立て直すには環境を一新するような変化が必要かもしれないと思っていた矢先に出会ったのが、運用型テレビCMサービスを提供するノバセルを子会社に持つラクスルでした。事業会社という未経験の世界に飛び込むのは不安でしたが、ノバセルは広告制作・戦略支援も手がけており、その分野では経験を活かせるという安心感もありました。

ノバセルでは約3年弱、クリエイティブとストラテジーのチームをリードしました。顧客の多くはスタートアップで、ニーズは前職までとはまったく違う。短期間での確実な成果を追い続ける日々でした。

広告会社のクリエイターの役割は、一般的には企画が世に出たら一区切りがつきます。しかしノバセルは、出稿以降の効果測定・改善こそがセールスポイント。そして、CM出稿によるクライアントの事業成果が自社の成長に直結します。この期間、ひたすら制作に取り組む状態から一歩引いて、蓄積した思考や感覚を整理して言語化し、チームに共有できたことはとても良かったです。

Q.次の挑戦の場としてフリーに入社した理由は?

次第に「ひとつの事業に深くコミットしたい」という思いが強まっていたときに出会ったのがフリーでした。2024年の入社以降、マーケティング部門でクリエイティブチームを率いています。

声をかけてもらった当初は正直、「ブランドもできているし、そんなにやることがあるのかな」と感じていました。しかし、実際は第二創業期という転換点にあり、顧客もプロダクトも急速に広がる中で、ブランドを再定義しながら成長を加速させる必要があると知って、今の会社の挑戦に、自分の挑戦を重ねたいと思い、入社を決めました。

今、クリエイターには、表現の領域を超え、事業企画やブランド価値創出など、より経営に近い部分に踏み込むことが求められています。積み上げたスキルが、AIの普及で、ある日突然、無になる可能性だってある。ただ、だからこそ、不安を恐れるのではなく、むしろエネルギーに変える力が必要だと感じています。

僕がキャリアで大切にしているのは「意識的に、不安な要素がある環境に身を置くこと」。安心して働ける環境はもちろん重要ですが、一方で、未知な環境での不安こそが、柔軟に学び、自分をアップデートするエネルギーになる。

フリーに来て1年。苦労もたくさんありますが、それによって新しい自分に出会える環境はとてもエキサイティングです。

フリー株式会社
Executive Creative Director
沖之城典生 氏

早稲田大学法学部を卒業後、2003年にコモンズにコピーライターとして入社。日本経済広告社、ビーコンコミュニケーションズ、ジェイ・ウォルター・トンプソン( 現・VML)と広告業界で活躍したのち、2022年に事業会社へ転身。ラクスル/ノバセルにて、ストラテジー&クリエイティブリードを務め、2024年10月より現職。

聞き手
株式会社マスメディアン
取締役
国家資格キャリアコンサルタント
荒川直哉

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名以上の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT 企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

    お問い合わせ

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