プレゼントキャンペーンは、ハガキ応募の時代からデジタル技術を駆使した「戦略装置」へと劇的な進化を遂げた。かつての缶コーヒー懸賞に象徴される社会現象的な熱狂から、スマホを介した精緻な体験設計や共創型施策へ。本特集では、その四半世紀の歩みを辿るとともに、広告界のプロ3名が選ぶ秀逸事例から、現代の生活者を捉えるヒントを探っていく。
日本のプレゼントキャンペーンは、デジタル技術の発展とともにこの数十年で大きく姿を変えてきた。その変遷を、本稿では当社発行の月刊『販促会議』がこれまでに報じてきた内容を手がかりに振り返る。
インターネットが普及する以前、平成のキャンペーンの「華」といえば缶コーヒーの大型懸賞だった。大量販売が見込め、自販機中心の競争環境で差別化を図りやすい特性から、「働く人のご褒美」といったストーリーと高額賞品を組み合わせた企画の相性は抜群。数百万通規模の応募があったとされるサントリー「BOSS」の「ボスジャン」キャンペーン(1993年開始)や、約4400万通の応募で当時ギネスブックにも認定された日本コカ・コーラ「ジョージア」の「がんばってコート」(1995年)などが、社会現象を巻き起こした。
大きな転換点となったのが、1999年の「iモード」登場に象徴されるモバイルシフトである。2001年のキリンビバレッジ「ネットでFIRE」は、応募方法をPC・モバイルに限定し、商品添付シールのシリアル番号を入力させる手法を採用した。これにより、購買証明が難しいとされていたネット懸賞の課題に取り組み、現在は一般的な「マストバイキャンペーン」の先駆的な事例のひとつとなった。
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