2016年4月に発売になった、サンスターの“スマートハブラシ”「G・U・M PLAY(ガムプレイ)」は、オーラルケアにIoTを組み込んだ新機軸の商品だ。モノづくり企業としての資産を活かしつつ、新しいブランド体験づくりを担ってきた、同社・マーケティング部の松富信治氏は、この事業の先に何を見据えているのか。

オーラルケアカンパニー 日本ブロック マーケティング部 プロダクトマネジメントグループ 松富信治氏(まつどみ・のぶはる)
2005年立命館アジア太平洋大学卒業後、サンスターに入社。リテール営業部を経て、2010年にオーラルケアマーケティング部に異動し、製品開発、マーケティング戦略の立案を担当。"スマートハブラシ「"G・U・M PLAY(ガムプレイ)」では、プロジェクトリーダーとして、企画開発および事業開発全般を推進。
デジタルの体験でメーカーの課題を解決する
2016年4月18日に発売になった、サンスターの"スマートハブラシ"「G・U・M PLAY(ガムプレイ)」は、当初計画の1.5倍の売上を記録するなど、好調さを維持している。ハブラシのハンドル部分に小型アタッチメントを取り付けるだけで、歯みがき動作がスマートフォンに伝送され、専用のアプリと連動させることで新しい歯みがき体験を提供してくれるという、ガムプレイ。ユーザーは自分が歯みがきにかけた時間や、みがき具合などをデータ化した形で確認することができるほか、モンスターと戦うゲームになる機能もついているので、子どもの歯磨き習慣の定着化も期待できる。

「G・U・M PLAY」の小型アタッチメントには、加速度センサーとBluetooth無線機能が搭載されており、歯みがき動作がリアルタイムにスマートフォンに伝送される。
ガムプレイのプロジェクトを進めてきたのは、サンスターでオーラルケアブランドのマーケティングを担当する松富信治氏だ。コモディティ化が進む市場環境の中で、どうすれば「G・U・M(ガム)」ブランドならではの価値が伝えられるか、模索する中でデジタル基点のコミュニケーションのアイデアに行き着いた。松富氏がデジタル活用の新しいブランド体験づくりを目指そうとした矢先 ...