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「ネット広告」の課題と企業倫理

広告主がいま、すべき対応とは?

  • 山本京輔氏(WOMマーケティング協議会)

10月から景品表示法にて、ステルスマーケティングが景品表示法の不当表示として規制の対象となります。広告業界では、この規制を通称「ステマ規制」と呼び、今年3月28日の発表以来、注目を集めてきました。施行を直前に控えた今、広告主や広告会社、広告制作会社やクリエイターに必要な知識についてWOMマーケティング協議会副理事長の山本京輔氏が解説します。

※本記事は宣伝会議の教育講座、景表法「ステマ規制」指定に伴う緊急対策セミナーの再編集記事になります。
※山本氏の所属団体名・役職は2023年8月時点のものです。

ステマ規制施行に向けガイドラインを改訂

「ステマ規制」の施行に際し、広告主はどのような対応をすればよいのでしょうか。広告主がすべき対応として「WOMJガイドライン」を参照してもらいたいと思います。これは2009年にWOMマーケティング業界の健全なる育成と啓発を目的に発足したWOMマーケティング協議会が発表するガイドラインです。WOMとはWord of Mouthすなわち「口コミ」のこと。WOMマーケティングとは口コミマーケティングと同義語です。会員は広告会社、PR会社で構成されていますが、一部出版社や広告主も会員となっています。

WOMJガイドライン(以降「ガイドライン」と記載)は、2010年に最初に公開されて以降、必要に応じてその内容がアップデートされています。今年3月に消費者庁が「ステマ規制」の指定告示と運用基準を公開しました。10月1日からステマが景表法違反の不当表示となることを受けて、WOMJガイドラインも改訂版を6月21日に公開し、同じく10月1日から改訂した内容が適用開始となります。業界自主規制なので消費者庁のステマ規制より線引きは明確ですが厳しいところもあります。

「関係性の明示」をより細かく規定

改訂したガイドラインは「関係性の明示」の部分に対して、より細部を明確にしたものになりました(図表1)。ガイドラインでは従来から「関係性の明示」という概念を使っていましたが、インフルエンサーなど「情報発信者」に対して、WOMマーケティングを目的とした「重要な金銭・物品・サービスなどの提供」が行われる場合、「マーケティング主体」と「情報発信者」の間に「関係性がある」と定めています。

図表1 WOMJガイドラインのポイント
景表法「ステマ規制」指定に伴う緊急対策セミナー資料より引用

また「重要な金銭・物品・サービスなどの提供」が行われる場合には、情報発信者には「関係性の明示」を義務付けなくてはなりません。なお、「マーケティング主体」とは広告主と同義語で、景表法では事業者と表記されています。

ここでいう「関係性の明示」には、「主体の明示」と「関係内容の明示」の2つがあって、その両方をやらなければいけないと...

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「ネット広告」の課題と企業倫理

国内では昨年「デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)」が活動を開始し、ネット広告の取引の透明性担保に向けた取り組みが進んでいます。一方で、その先にあるネット広告とエンドユーザーとの接点においては、まだまだ問題のある行為も散見されます。悪質な行為を行うのは、ほんの一部の事業者であっても、そうした事業者の広告活動によって、ネット広告さらには広告自体にネガティブなイメージを持たれてしまっては、すべてのアドバタイザーが不利益を被ることになりかねません。業界をあげて取り組まなければならないネット広告の体験品質の問題とは何か。また現在の環境のなかで、広告主が対処しうるリスク対策にはどのようなものがあるのか。国内外の最前線の取り組みをもとにレポートします。

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