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2022年の消費者インサイト予測

デジタルシフトに対応するコンテンツメディアの価値とは

  • 長澤秀行氏(BI.Garage)

巨大プラットフォーム企業の台頭により、ニュースや情報、動画、音声などのコンテンツを自ら取材・制作して提供する「コンテンツメディア企業」はいま、マネタイズに苦心している。今後、メディアと広告の価値はどのように変わっていくのか。「コンテンツメディアコンソーシアム」を運営するBI.Garageの長澤秀行氏に話を聞いた。

生活者と企業にメリットをもたらすコンテンツメディアの収益化

電通が発表した「2020年日本の広告費」によると、マス四媒体の広告費は6年連続で前年を下回った。また、2.2兆円を超えたインターネット広告費のうち、マス四媒体由来のデジタル広告費は803億円。こちらは年々増加傾向にはあるものの、構成比にして1.3%と非常に少ない現状にある。生活者のデジタルシフトが進むなかで、この状態はどう見るべきなのか。

フェイクニュースが社会問題となるいま、優良なコンテンツを提供できうるメディアが衰退することは生活者にとっても影響がある。また広告媒体を使って生活者との接点をつくろうとする広告主企業にとっても、優良なコンテンツを自らつくるメディアの存在は欠かせないものだ。だからこそコンテンツメディアが持つ価値を定量的に示し、収益化の仕組みをつくることが必要なのである。こうした考えに基づき、設立されたのが「コンテンツメディアコンソーシアム」だ。

同団体は、2017年に立ち上げた「コンテンツメディア価値研究会」を経て2020年6月に設立。インターネット関連事業を行うデジタルガレージおよび子会社のBI.Garageが運営主体となり、国内メディア28社150媒体が参画。現在、広告効果の検証やデータ活用、それらを基にした共同広告配信プラットフォーム事業を展開している。

2021年11月1日に同団体が発表したコンテンツメディア調査では、コンソーシアム参加社を含む118のメディアの利用者に対してアンケート調査を実施。そのうち記事系の93メディアを「コンテンツメディア」「キュレーション」「ポータル」「ソーシャルメディア」の4つに分類し、取りまとめて分析を行った。

「コンテンツメディアの情報価値・広告価値は、ユーザー視点でもきちんととらえられていることが今回の調査で分かりました。2年前、前身の研究会で行った調査と比較しても、ポジティブな評価はより高まっており、特に態度変容という点に強みがあることが分かっています」(長澤氏)。

調査によると、コンテンツメディア、すなわち新聞社や出版社の運営するWebサイトにおいては、広告表示の仕方や広告そのものに対して「不快ではない」「違和感はない」といった評価が他カテゴリに比べて高く、企業や商品が記憶に残る、信頼度が高まるという印象を持たれていることが分かった【図表1】

    コンテンツ特性

    ● 利用者にとっての役割

    参考になる、役に立つ、新しい発見をさせてくれるもの。

    ● 利用する理由

    詳しく、専門的。他にはない信頼できる情報があるから。共感・支持しており、期待以上の情報があるから。一定以上のクオリティである情報を見たいから。

    ● 利用導線

    情報検索でヒットしたり、他サイトで関連サイトとして上がる。

    ● 内容への反応

    共有や、フォロー、評価ボタン、書き込みいずれの反応も...

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2022年の消費者インサイト予測

少し明るい兆しが見える中で迎えた2022年。行動の自由が大きく制限された2021年は、一人ひとりが自分の生活にとって真に必要なものは何なのか。惰性ではなく、意志をもった行動のなかで、それに気づく機会にもなりました。コロナ禍の真っただ中にある時から、Afterコロナの生活者についての考察は数多く出ていましたが、国内においては日常が戻ってくる兆しも見えてきました。それではコロナ禍において私たちの意識や行動に起きた変化は、再びかつての日常が戻ってきたときに、消えていくものなのでしょうか。それとも、不可逆の変化としてこれからも定着していくものなのでしょうか。特集では最前線で活躍するマーケターの実務家の皆さんと共に、新しい日常における2022年の生活者インサイトの予測をもとに、どのような市場が創造しうる可能性があるのかを考察。2022年の生活者インサイトと新市場をキーワードとともに解説します。

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