case04 企業姿勢を伝える、顧客参加型CSR
コストの削減と効果の最大化で継続的な活動へ

企業姿勢への共感を重視する創業以来の『CSR体質』

「ブラ・リサイクルキャンペーン」は、顧客が思わず参加したくなるようなイメージ戦略にも力を入れている。2013年から刺繍作家の大塚あや子さんを起用し、Webサイトや専用リサイクルバッグ、回収と引き換えに顧客に配布する切手といった各種ツールに、刺繍で「森の動物」や「地球」を描くデザインを採用している。
ワコールの企業ブランディングは、同社のCSRと、その取り組みを発信するコミュニケーションに特徴を見ることができる。一般的にCSRは、総務部など管理部門が管轄するケースが多いが、ワコールではそれに加え、広報宣伝部門が主導する取り組みが数多くある。「広く社会一般に対して『当社はこんな活動をしています』と一方的に発信して終わるのではなく、お客さまには、企業姿勢に共感していただいた上で、一緒になって活動に参加いただきたい。活動を通じてワコールに対する共感をさらに深めていただいた結果、ブランド価値の向上、企業への信頼につながるのが理想です」と、総合企画室 広報・宣伝部 宣伝企画課の中太寛行氏と徳持隆二郎氏は話す。
その発想の根底にあるのが、「世の女性に美しくなって貰う事によって広く社会に寄与することこそ、わが社の理想であり目標であります」という、現在に至るまで受け継がれるワコール創業の精神だ。同社のあらゆる企業活動に通底する基本思想であり …